国土交通省中部地方整備局は、17日に名古屋市内で開いた入札契約に関する建設業界向けの説明会で、2013年度から本格的な運用を開始する総合評価落札方式の「二極化」について、国交省の方針である施工能力評価の簡素化や、品質向上重視の技術提案評価などを基本としながらも、「地域精通度」や「地域貢献度」への評価を継続する方針を示した。中部地整は7月以降、21件の工事で二極化を試行しており、入札参加企業へのアンケートなどを踏まえて本格運用に反映する。
これまで簡易型・標準型(T・U型)・高度技術提案型(T〜V型)に分かれていた総合評価落札方式を、企業や技術者の実績を重視する施工能力評価型(T・U型)と、技術提案を求める技術提案評価型(AT〜AV型、S型)に二極化する。
地域精通度に関しては、近隣地域内の工事実績や、地域内拠点の有無などが評価対象となる。地域貢献度は、災害活動実績や災害協定のほか、必要に応じてボランティア活動や道路除雪、維持工事などに配点する。
二極化の運用イメージとしては、3億円未満の分任官契約工事の85%ほどが施工能力評価型T型(施工計画書の提出を求める)、10%がより簡易な同U型(施工計画書の提出を求めない)、5%が技術提案評価型S型となる。3億円以上の本官工事は、現在の標準型T型・U型に相当する大半の案件が技術提案評価型S型に移行する。より高度な技術提案の必要な工事を技術提案評価型A型とする。一方、本官契約であっても、簡易な工事は施工能力評価型T型を適用するとした。
このほか、説明会では、四国地方整備局で起こった官製談合事件を踏まえた入札契約手続きの見直しなどについて説明した。入札書と技術提案書の同時提出や、予定価格作成時期の後ろ倒し、企業名のマスキングの徹底を行うとした。13年1月以降、見直しを加えた手続きによる入札を試行し、13年度から本格化する予定。
説明会では建設業者約300人が会場を埋めた。
提供:建通新聞社