静岡県は、県生活排水処理長期計画の策定を開始した。2030年度を目標年次とする新たな長期計画で、下水道や合併処理など生活排水処理施設の整備率の目標を定めるとともに、効果的・効率的な整備の在り方や事業手法、増大する既存ストックの維持管理の方針などの方向を12年度末までにまとめる。
静岡県は、県生活排水処理長期計画の策定を開始した。2030年度を目標年次とする新たな長期計画で、下水道や合併処理など生活排水処理施設の整備率の目標を定めるとともに、効果的・効率的な整備の在り方や事業手法、増大する既存ストックの維持管理の方針などの方向を12年度末までにまとめる。これに向け、計画策定業務をオリジナル設計静岡事務所(静岡市葵区)に委託した。
現行計画の策定(01年度)から10年が経過し、県内の生活排水処理施設の整備率が向上する一方、課題も顕在化。市町村の合併や少子高齢化の進展、節水意識や水の再利用のさらなる高まりによる汚水量の減少、ストックの増加と老朽化に伴う維持管理費用の増大など、生活排水処理事業の経営環境は厳しさを増している。
また、下水道の整備を今後進める区域は人口密集度が低く、費用対効果も低いため、集落排水や合併処理浄化槽など他の汚水処理事業の活用や、コストの低い整備手法が求められている。
そこで、国による下水道事業計画の見直しや中期ビジョンの策定などの動き、また、市町村合併や人口減少などの社会情勢の変化を踏まえ、広域的な視点から施策効果の検討と見直し計画の策定を行う。
県が市町に行ったヒアリングの結果、約6割の市町が生活排水処理計画の見直しを実施済み、または見直し作業中だったことから、処理区域の設定などは市町の計画を踏まえて検討する。
今回委託した業務で、まず、各市町が抱える課題を広域的な観点から検討し、「効率的整備の方針」「維持管理の方針」に関する施策を検討。市町素案の検討・調整を行った上で、見直し計画をまとめる。学識経験者らで組織する策定検討委員会を設置し、ここでの意見を計画策定に反映する。
納期は13年3月15日。
業務委託に当たって実施した指名競争入札には13者が応札。オリジナル設計が1440万円(予定価格1805万3000円)で落札した。
(2012/12/19)
建通新聞社 静岡支社