日本工業経済新聞社(群馬)
2012/12/12
【群馬】来年度から下部工−上発知材木線・拡幅改良
県沼田土木事務所は、沼田市上発知町を走る一般県道上発知材木町線の拡幅・線形改良事業で、来年度に透門橋下部工の改修工事を初弾工として発注する見通しだ。昨年度の事業開始当初では、同橋梁は上部工のみで拡幅工事を見込んでいたが、東日本大震災後に中山間地域における災害時の孤立地区解消対策として、拡幅工事だけでなく下部工を含めた橋梁耐震補強工事も実施することになった。本年度から用地買収の進捗を図っており、工事は優先度の高い橋梁から着手、道路拡幅をメーンに一部交差点の改良などを行い、2016年度の事業完了を予定している。
事業の対象区間は、発知川に架かる透門橋の前後L560m。市道であるアップルルートとの交差点を最南部とし、同交差点以北が整備区間となる。幅員5m程度の狭隘な現道をW7mへ拡幅し2車線化する。同線は生活道路であるとともに沼田市中心部からたんばらスキーパークへ至る観光道路であるため県外車両の利用も多く、冬期積雪時の安全性も向上させる。昨年度に道路部の設計・用地調査を技研測量設計(前橋市)、本年度に透門橋の拡幅・耐震補強設計を長大(東京都中央区)が作成。総事業費は2億8000万円を見込んでいる。
透門橋は、1968年に架設された橋長37m・W5・48mの2径間H鋼桁橋。迦葉山弥勒寺へ続く参道との分かれ道に近い、赤い欄干の橋梁。下部工・上部工を改修しW7m(車道W2・75m×2、路肩W0・75m×2)へ広げる。
アップルルートとの交差点は北側の果樹園方向へ道路を広げて、交通の流れをサラダパーク方面へ誘導していく考え。アップルルートは2車線が確保されており、サラダパークを経由し利根沼田望郷ラインへ接続している。
道路部は基本的に両側に側溝を設置するが、沢に近接する箇所では片側のみの側溝で沢側にはL字擁壁工を整備する計画。同線は住宅地内を走りカーブが連続しているため見通しも悪く、拡幅時に若干の線形改良もする。スケジュールでは用地買収を来年度も進めていく。
上発知町地内の同線沿いには、住宅街と農地が点在、断続的に2車線化した部分と1・5車線の部分がある。冬期にスキー場へ向かう県外車両で交通事故が頻発していた。