日本工業経済新聞社(茨城)
2012/12/12
【茨城】県と市町村管理トンネル ジェットファンなど一斉点検
県と市町村は、中央自動車道笹子トンネル内の天井板落下事故を受け、トンネル内における道路附属物等(ジェットファンや大型標識)の一斉点検に着手した。国土交通省からの事務連絡を受け、県が取りまとめる。県管理トンネル19のうち3カ所にジェットファンが設置されており、県は2カ所を点検済み。異常は無かった。早期に残り1カ所(花室トンネル、つくば市)を点検する。一方、市町村管理のトンネルは17で、国への提出期限である今月26日に向け、取りまとめを急ぐ。そのほか県では、昭和時代に建設されたトンネル本体の点検を検討する方針。
県土木部道路維持課では笹子トンネルの事故が発生した翌日から、管理する19のトンネル(道路公社の3カ所含む)で目視点検を実施。その結果、特に大きな異常は見られなかった。
その後、7日には国土交通省からジェットファンや大型標識など重量構造物のあるトンネルを打音や触診などで点検するよう事務連絡があったことから、これを実施。
その結果、県内にはジェットファンが設置されたトンネルが3カ所あることが分かった。この3カ所は、日立市の本山トンネル、水戸市の梅香トンネル、つくば市の花室トンネル。
そのうち本山トンネルは、10月末にボルトの締め付け確認など、年次の保守点検を行っており、異常が無いことが確認された。また梅香トンネルも同様に点検済みで異常無し。
花室トンネルは未点検のため、国からの提出期限である今月26日までに請道修の枠組みで緊急点検を実施する。
そのほか、大型標識のあるトンネルは現在、調査中だという。
県では、機械設備や通信設備、消防設備といった施設に関しては定期点検を実施している。だが、トンネルの本体について細かな点検はこれまで行ってないことから、今後、点検を検討する方針。その際、昭和時代に造られたトンネルが対象となりそうだ。
一方、市町村が管理する17のトンネルについては、国からの事務連絡を該当市町村の担当課に伝え、点検実施などを行うよう周知し、その取りまとめを急いでいる。
なお、県内における高速道路のトンネルは18で、国が一斉点検する。直轄国道のトンネルは県内には無い。