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日本工業経済新聞社(群馬)
2012/12/11

【群馬】各種長寿命化盛る−次期県土整備プラン素案

 県県土整備部の最上位計画で、本年度から10年間の目標を掲げた次期『はばたけ群馬・県土整備プラン』の素案がまとまり、開会中の11月定例県議会の産経土木常任委員会へ報告した。次期プランでは計画の初年度となる2008年度から現在までの5年間の成果が明示されているほか、今後10年間の新たな目標値が設定されている。ただ、注目すべき7つの交通軸にかかる主要幹線の完成予定年度については現段階では白紙のままとなっているものの、河川整備計画に基づく河川改修事業については20年間といった期限を初めて示すなど、より実現性を持たせた内容が盛り込まれている。さらに、社会資本の長寿命化では計画を策定済みの県営住宅と橋梁以外に舗装、トンネル、河川構造物、都市公園、下水道の計画概要が示されている。

 『はばたけ群馬・県土整備プラン』は本県が未来に向けて大きく前進できるよう、08年3月に策定された同部の最上位計画。
 今回は計画の中間年を迎えたことから見直しが進められており、東日本大震災の発生など大きく変化する社会・経済情勢への対応を図るため、計画期間を5年スライドさせた22年度までの新・県土整備プランとして策定されるもの。
 全体構成として、基本構想の第1章には策定からこれまでの5年間に及ぶ成果が示され、目標に掲げた全36指標を『達成した指標』『目標に向けて進捗している指標』『達成が遅れている指標』に分類されている。第2章には社会資本整備を取り巻く状況、第3章については目指す将来像と政策方針とともに、プラン実現による慢性的な渋滞改善、雇用維持、経済の活性化が図られ、県民生活と企業活動がどう変わるかを具体的に例示している。
 続く、基本計画には具体的な取り組みが示され、策定当初と同様の◇元気「もっと、県土に活力を」◇安全「もっと、暮らしに安全・安心を」◇魅力「もっと、県土に魅力を」◇環境「もっと、良好な環境を」−に加え、それぞれの分野で柱となる主要施策を明示。元気分野には「7つの交通軸構想『軸の強化』」を、安全分野には「安全4分野『豪雨・地震・火山噴火・交通安全』対策の推進」を、魅力分野には「ぐんま“まちづくり”ビジョンの推進」を、環境分野には「汚水処理ステップアッププランの推進」−を掲げている。
 このうち、7つの交通軸にかかる主要幹線の完成予定年度については現段階では白紙のままだが、成案を上程する2月定例県議会までには具体的に盛り込む予定。
 所管する県建設企画課によると、プラン策定にあたっては根拠ある計画の策定結果をプランへ反映させているそうで、代表的事例としては社会資本に対する長寿命化計画もその1つ。すでに策定済みの県営住宅と橋梁以外に舗装、トンネル(付属施設)、河川構造物(排水機場、水門・堰)、都市公園(建築物、遊具)、下水道(管理、処理場)といった施設ごとの計画概要を掲げている。
 各施設の長寿命化計画をみると、舗装は計画対象L3100q、計画期間は30年間で、維持管理予算の縮減額は約525億円。
 トンネルは計画対象63本(L24・1q)、計画期間30年間で、維持管理予算の縮減額は約10億円。
 河川構造物は29施設(排水機場7施設、水門・堰22施設)、計画期間40年間で、維持管理予算の縮減額は約40億円。
 都市公園は29施設(建築物19施設、遊具10施設)、計画期間30年間で、維持管理予算の縮減額は約130億円。
 下水道は管路がL240q、処理場が6カ所。計画期間はいずれも50年間で、維持管理予算の縮減額は約2200億円。
 今後のスケジュールだが、今議会の産経土木常任委員会による素案の検討・承認を踏まえ、今月中旬から1月中旬にパブリックコメントを実施する予定。ただ、7つの交通軸構想にかかる主要幹線の完成予定年度についてはこの時点では示さないもよう。その後の2月定例会の同常任委員会で執行部側が成案を説明し、本会議での議決を目指す考え。
 なお、各地域プランの策定も検討中だが、現行と同様の記載となりそう。ただ、中身について本プランを5年延長した分の事業が追加されるものの、示し方は現在検討中とのこと。