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日本工業経済新聞社(群馬)
2012/12/06

【群馬】本庁舎で補修整備−藤岡市

 藤岡市は、市役所本庁舎および東庁舎で実施した耐震診断結果をまとめた。このうち本庁舎の一部で耐震性能が著しく危険な箇所があり、早期の解体も考慮した改修が望ましいとする結果が下された。そのほかの部分においても大規模改修を行うことが望ましいとされた。東庁舎の耐震性能は高いが、経年劣化による安全性の低下が危惧される箇所において改修補修を行うことが望ましいとしている。市は危険箇所に対して撤去もしくは補強を実施する方針で、来年度以降の設計着手に向けて予算を要求していく。

 藤岡市本庁舎は1967年に建設された施設で延べ床面積は4899u。RC造2階建て(部分的に地下1階)で、4層の塔屋Aと1層の塔屋Bが屋上から突出している構造となっている。
 耐震診断結果は、建物全体での耐震性能は比較的高いとされたが、部分検討を南北方向に行った場合の診断値(Is/Iso)は0・29、東西方向は0・26で「耐震性能が非常に低く、大規模改修が必要」と4段階評価で最低のDランクに位置付けられている。地下室は南北方向の診断値は0・57で「耐震性能は低く、補強が必要」とされるCランク、東西方向は1・47で「耐震性能は高い」とされるAランクだった。
 塔屋Aはもっとも危険な状況で、南北方向が0・03のDランク、東西方向は0・83で「耐震性能は比較的高いが補強が必要」とされるBランクとされた。塔屋BはAランクで耐震性能に問題はない。
 本庁舎で今後予想される状況として◇未使用設備機器の落下飛散による屋上防水、屋上躯体の損傷および人的被害◇ひび割れへの水の浸透によるさらなるひび割れの拡大◇内部鉄筋のさびの進行によるさらなるコンクリート片の落下◇地震時におけるコンクリートブロック造壁の倒壊−などがあるという。
 対応方法としては◇使用していない設備機器の撤去◇ひび割れへの樹脂充填◇コンクリート剥離箇所の補修◇主要室の壁を乾式壁へ改修すること−などが挙がっている。
 東庁舎は77年建設のRC造3階建て、延べ床面積は999u。屋上に1層の塔屋が備わっている。建物全体、塔屋ともに診断値はAランクで耐震性能は高いが、経年による風化・劣化のため安全性の低下が危惧される箇所が多数見受けられるため、改修補修を行うことが望ましいとしている。
 市では本庁舎の塔屋Aを最優先に撤去するか補強するかを判断し、来年度以降に設計費を確保する。あわせて庁舎全体を対象にして議論を深めていく方針だ。新庁舎建設については現段階では議論に至っていないという。
 なお、耐震診断は石井設計(前橋市)が担当している。