静岡県は、地域高規格道路・金谷御前崎連絡道路(国道473号バイパス)の一部となる「金谷相良道路U期」の整備で、構造物を含めた道路の詳細設計の大半を2012年度中に完了させる方針。並行して地元関係者に対する事業説明などを実施しながら、用地買収を含めた事業に対する理解と協力を求めていく考えだ。担当は県島田土木事務所。
金谷御前崎連絡道路は、新東名高速道路から国道1号、富士山静岡空港、東名高速道路などを経由し、御前崎港までを結ぶ延長約30`の地域高規格道路。このうち金谷相良道路U期は、国道1号菊川インターチェンジ(IC、島田市菊川)と、静岡空港へのアクセス道路との交差部である倉沢IC(菊川市倉沢)までの延長3・3`。幅員10bの2車線道路で、11年度に新規事業化した。
構造は、高低差のある山林を通過する菊川IC側の延長約1`が高架、残る2・3`が土工部で、このうち倉沢IC側の延長約1・2`が切り土による掘割。
高架区間では、菊川IC側から▽1号橋(PC単純箱桁、橋長48b)▽2号橋(PCポータルラーメン、橋長28b)▽3号橋(PC7径間連続ラーメン箱桁、橋長613b)▽4号橋(鋼単純細幅箱桁、橋長71b)▽5号橋(鋼4径間連続少数主桁、橋長161b)―の五つの橋梁を配置する。
12年度に1・2号橋の詳細設計を長大静岡事務所(静岡市葵区)、3号橋をオリエンタルコンサルタンツ静岡事務所(静岡市葵区)、4・5号橋を大日本コンサルタント静岡営業所(静岡市葵区)にそれぞれ委託しており、年度内に橋梁の構造などを固める。
掘割区間を含めた延長2・3`区間の道路詳細設計はサンコーコンサルタント静岡営業所(静岡市葵区)で完了済み。
また、倉沢ICのフル化に伴うB・Cランプ橋の予備設計をオリエンタルコンサルタンツ静岡事務所、掘割区間で分断される市道や農道などの跨道橋3橋の予備設計を中央コンサルタンツ静岡事務所(静岡市葵区)を進めており、これらの詳細設計は13年度に実施する考え。
さらに、菊川ICの直近で菊川を跨ぐ橋梁を計画しているが、こちらは国土交通省による国道1号島田金谷バイパスの4車線化のルートや構造が確定していないため、国交省による検討を踏まえて対応する。
県では、これら設計や調査業務などと並行して、地元関係者に対する事業説明会などを順次実施しており、事業への理解と協力を求めていく。工事着手時期は現段階で未定。
事業化に当たり試算した全体事業費は120億円、事業期間は2010年代後半までを予定している。
(2012/12/5)
建通新聞社 静岡支社