刈谷市は、歴史博物館の建設予定地の地質調査費430万円を12月補正予算案に盛り込んだ。大規模地震の際に液状化の恐れがある建設予定地の地盤の状況を2012年度内に調査する。ボーリング孔を利用して地盤のP波とS波の伝播速度を測定するPS検層を実施する。この結果で、建設が可能となれば2013年度に基本設計に着手するなど事業が動き出す。
歴史博物館建設事業は、15年のオープンを目指し、11年度に建築基本設計と展示基本設計が予定されていたが、東日本大震災以降、建設予定地の地盤に不安を抱く市民もおり、これが課題となって計画がストップしていた。
10年度に丹青社(東京都台東区)で策定した基本計画によると、施設の延べ床面積は約4500平方b。建設予定地は刈谷市民体育館北の1万1800平方bの敷地。建設予定地が刈谷城のあった場所の隣接地であることから、施設の外観も将来的に整備される刈谷城との一体感を生む歴史的景観に合った意匠デザインとし、また刈谷城当時の植生を反映した外構整備を計画している。刈谷市の歴史や考古、民俗などの文化財を保存、管理する新たな博物館として、親しみやすさと愛着、地理的特徴を兼ね備えた施設を目指す。施設機能もミュージアム機能や祭り伝承機能、アーカイブズ機能、埋蔵文化財保存機能を有するなど多機能型博物館となる。
提供:建通新聞社