日本工業経済新聞社(茨城)
2012/12/04
【茨城】 第4回復興交付金 11市町村へ223・9億円
復興庁は、東日本大震災で被災した7県へ配分する復興交付金(第4回)の交付可能額をこのほど発表した。茨城県では11市町村に対する事業費が294・8億円で、そのうち交付可能額となる国費に223・9億円が示された。主に調査設計などへ充てられた第3回までと比べ、今回は施工段階へと移る流れから金額も大幅に増えた。潮来市への可能額が最も多く、事業費が134・75億円で、うち国費が103・27億円。日の出地区における市街地と幹線道路の液状化対策などを進める。そのほか、北茨城市が大津地区の水産業共同利用施設整備事業、神栖市が液状化対策の調査や事業計画、対策工事を順次行う。(3面に県内の事業箇所)
7県を対象とした全体の事業費総額は8802億8000万円(うち国費7148億円)。第3回目までの金額と比べ大幅に増えた。
茨城県へ示された事業費294・8億円(国費223・9億円)も、第1回の事業費28億円(国費22億円)や第2回の事業費44・6億円(国費37・2億円)、第3回の事業費5・7億円(国費4・3億円)と比べ、大幅増。
第1回や第2回での交付を受けて、調査設計などの準備を進めていた市町村が、いよいよ本格的な施工段階に入ってきたようだ。
まず配分される11市町村のうち、最も多いのが潮来市で事業費が134・75億円で、うち国費が103・27億円。日の出地区における市街地と幹線道路の液状化対策に、本年度から2カ年分の費用を配分するほか、来年度には日の出小中学校の耐震化を行う。
次いで北茨城市が事業費33・09億円(うち国費22・97億円)。大津地区の水産業共同利用施設整備事業へ2カ年分の整備費を配分するほか、関南地区の一時避難場所(高台公園)整備事業に向け計画策定などの費用を充てる。
神栖市は事業費28・93億円(うち国費21・7億円)。鰐川や堀割1・2丁目地区など広範囲にわたる液状化対策の調査費や事業計画の作成費を本年度に充て、来年度から対策工事を行う。
東海村は、事業費26・05億円(うち国費19・54億円)で南台住宅や緑ヶ丘住宅の造成宅地滑動崩落緊急対策事業を進めるべく、来年度から3カ年の費用を配分。
大洗町は事業費24・64億円(うち国費19・02億円)。若見屋平戸線整備事業や桜道地区の駅前海岸線整備事業、町道8−1126号線、町道8−2055号線の緊急避難路整備事業などを来年度から進めていく。
高萩市は事業費15・16億円(うち国費12・2億円)。手綱住宅を災害公営住宅として整備する費用などに配分。来年度には高浜住宅の整備費。そのほか来年度と再来年度の2カ年にわたって東小学校と高萩中学校の耐震補強、避難階段・屋上整備、浜野町踏切の整備、高萩陸橋の整備を進める。
ひたちなか市は事業費13・06億円(うち国費9・87億円)。那珂湊の漁港環境整備事業費のほかに、県営勝倉アパートの整備費、那珂湊の水産業共同利用施設復興整備事業費を来年度に配分。さらに本町釈迦町線整備事業へ来年度から2カ年分の費用を充てる。
鹿嶋市は事業費7・36億円(うち国費5・56億円)。鹿島神宮駅南地区の造成宅地滑動崩落緊急対策事業に2カ年分の費用を充てるほか、来年度には市道6001・6119号線で整備を進める。
水戸市は事業費6・47億円(うち国費5・63億円)。すべて県営藤が原アパートの災害公営住宅に充てられる。
日立市は事業費4・83億円(うち国費3・76億円)。助川・会瀬地区の市道3225号線道路改良事業や旭町地内の避難路整備事業のほか、来年度分として久慈地区の久慈茂宮線外1線改築事業や水産業復興支援事業などに配分。
稲敷市は、事業費0・44億円(うち国費0・33億円)で石納・野間谷原の農地整備や、東地区の液状化対策を予定している。
なお第5回の事業計画は本年度中に提出を受け付ける。