トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日本工業経済新聞社(群馬)
2012/12/03

【群馬】前橋市新清掃施設整備−延命の場合、六供優先

 新清掃工場の新築か、既存施設の延命化か−。前橋市が新清掃工場建設の有無を巡って事業を1年間凍結している新清掃施設整備事業について、市は六供清掃工場の延命化計画案を盛り込んだ「前橋市清掃施設整備方針」の中間取りまとめを発表した。本年度末には新築か延命化どちらかの方針を固める考え。現有の3施設の改修にかかる事業費はCO2の削減率から約85・5億円(CO2削減率3%)と約115・1億円(CO2削減率20%)の2ケースを想定し延命化のスケジュールなども示した。

 既存3施設の延命化となった場合、優先的に改修工事を行うのは、六供町地内の六供清掃工場。市内の約85%のごみ焼却を行うため、他2施設では処理が間に合わないと判断した。同工場の延命化スケジュールでは、本年度末から来年度にかけて地元説明や地域計画の変更を行い、来年度から2014年度に長寿命化計画の策定を進める。続けて、生活環境影響確認調査を実施したのち、14〜15年度で発注仕様書を作成する。15〜16年度に発注手続きを行い、16〜19年度に延命化工事を行う流れとなる。工事後は約15年間の稼働を想定し、その間を次期清掃工場の施設整備計画期間に充てる。
 六供清掃工場の延命化工事は2ケースで検討。ケース1はCO2削減率3%で、工事費を約71・9億円と抑えた案。交付率は3分の1で、緊急度の高さから工事内容を厳選するもの。ケース2はCO2削減率20%で、発電能力の向上や火格子の延命化などで維持管理費を軽減し、工事費は約101・5億円と高くなるものの、交付率は2分の1となるため市民負担額が減る案。
 残る2施設をみると、亀泉清掃工場は設備機器の更新は不要とされたが、1984年から使用している煙突の劣化が進行し、補修工事に1億円を試算。一方、大胡クリーンセンターは、設備機器の更新補修工事を3カ年計画と想定し工事費約5・6億円としたほか、延命期間中に発生するごみ処理委託費を約6・9億円と算定した。
 市が下増田町地内に計画していた新清掃工場の工事費は、約175億円で2016年度から25年間の稼働を計画しているもの。