日本工業経済新聞社(群馬)
2012/11/29
【群馬】発注の平準化実る−上期発注率も87・6%
本年度上期における県県土整備部の各月発注率が年度当初に目標としていた毎月7〜8%程度をほぼ達成できたことが県建設企画課のまとめで分かった。それによると◇5月が8・2%◇6月が4・9%◇7月が8・0%◇8月が8・7%◇9月が14・1%−だった。また、上期発注率も87・6%を確保し、発注の平準化とともに高い上期発注率も同時にクリアした格好だ。なお、9月末までの累計発注額は468億5061万3000円に達した。
同部では昨年度、上期発注率の目標を過去最大となる88%に掲げ、その結果として89%の実績を達成した反面、各発注機関とも上期発注に固執するあまり、とりわけ8月、9月に発注が集中。具体的には年度当初から6月過ぎまで発注率が低く、7〜8月にかけて上昇、8〜9月はさらに集中して発注される傾向にあり、業界側からも是正を求める声が出されていた。
そのため、本年度は8月、9月に集中した発注を解消するため、月ごとの発注率を7〜8%に設定するなど発注率の平準化を図ることとしたところ。
月ごとの発注状況をみると◇5月が8・2%◇6月が4・9%◇7月が8・0%◇8月が8・7%◇9月が14・1%−だった。
昨年度からの繰り越しや前年度比24%増となるゼロ県債51億円を確保するなどした結果、4月末時点の累計発注率は43・8%だったが、5月末に52・0%、6月末に56・9%、7月末に64・8%、8月末に73・5%、9月末に87・6%と推移した。
他方、各月の発注額をみると◇5月が43億9694万6000円◇6月が26億701万2000円◇7月が42億7464万9000円◇8月が46億3193万4000円◇9月が75億5001万5000円−だった。
累計発注額については、ゼロ県債分や昨年度からの繰り越しなどを含めた4月末時点が233億9005万7000円で◇5月末で277億8700万3000円◇6月末で303億9401万5000円◇7月末で346億6866万4000円◇8月末で393億59万8000円◇9月末で468億5061万3000円−となっている。
さらに言えば、年度当初におけるゼロ県債の増額と8〜9月までの高い発注率を確保することで、工事発注の端境期が少なくなり業界側へ大きく寄与したことも事実。
同部の笹森秀樹部長をはじめとする幹部が出席した群馬県建設業協会各支部との意見交換会では、発注に対する県の対応を評価していたという。
同課の倉嶋敬明課長は「部長のリーダーシップと各発注機関の相当な努力によって、これまでにない発注の平準化が図られ、業界の要望をしっかり反映できたと考えている」と本紙の取材に回答した。
なお、本年度における同部の公共事業予算については業務委託費、工事費を含め約600億円を確保している。