国土交通省中部地方整備局は、南海トラフ巨大地震などの災害を想定し、基幹的広域防災拠点の整備方針を検討する場として、新たに中部圏基幹的広域防災拠点ワーキングを設置する。30日にワーキングの設立と第1回の会合を行い、基幹的広域防災拠点に必要な機能などについて議論する。ワーキングでの議論に基づいて、2013年3月までに中部圏広域防災拠点ネットワーク整備計画を策定する予定。
ワーキングは中部地整のほか、内閣府や関係自治体、拠点配置案に挙がっている施設の管理者などで構成する。5日にまとまった中部圏地震防災基本戦略では、名古屋市の三の丸地区をはじめとした5カ所の基幹的広域防災拠点と、22カ所の広域防災拠点の配置案を示した。今後の検討事項としては、拠点ごとの整備の優先度や整備手法、施設の平常時の利用法、首都機能のバックアップなどがあるとした。
第1回の検討会では、基幹的広域防災拠点に必要な機能や、拠点の整備スケジュールなどについて議論する予定。先行事例や既存施設の現状などについても説明する。
防災基本戦略では、三の丸地区と静岡県庁に司令塔本部機能、名古屋飛行場と名古屋港、静岡空港に高次支援機能を備えた基幹的広域防災拠点をそれぞれ整備するとした。このほか22カ所の防災拠点は、高速道路のインターチェンジ付近など、交通の便がよく広域的な支援の受け入れが可能な場所で整備する方針。
防災拠点に必要な機能は、非常用自家発電施設などのライフライン、支援物資や緊急物資の集積が可能な物流施設、燃料供給基地としての設備など。
提供:建通新聞社