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日本工業経済新聞社(群馬)
2012/11/26

【群馬】事業費は85〜90億−高崎市新体育館基本計画案示す

 高崎市は26日、「高崎市新体育館基本計画(案)」をまとめ、市議会都市集客施設調査特別委員会に報告した。14日に公表された「基本計画(素案)」に事業費や整備スケジュール、維持管理費などを盛り込んだ内容となっており、現段階での概算事業費には用地費や外構工事費などを除いて85〜90億円を試算している。維持管理費については人件費を除いて年間約1億1000万円を見込んでいる。今後、2013年度中に基本・実施設計をまとめ、14年度から工事着手、15年度中の完成を目指して整備を進めていく。

 基本計画(案)は、14日に公表された「高崎市新体育館基本計画(素案)」に市民懇談会で出た意見などを踏まえたものだが、体育館機能の変更などはなく、管理運営方針や維持管理費、事業費、スケジュールを追加したものとなっている。
 85〜90億円と試算した事業費については、全国の類似施設の床価格を参考とし、基本的な機能部分の面積から算出したという。駐車場や避難路などの外構整備については、別に工事費が必要となるが敷地の設計条件や建物の形状など今後の設計作業により増減する。今月30日に市議会へ提出する補正予算案には、新体育館設計委託費として、13年度までに9000万円を限度額とする債務負担行為を設定したうえで、本年度補正分に4000万円を計上。建設地となる日本製粉跡地の用地買収費には13億円を盛り込んでいる。このほか、プロポーザル選定委員報償金や提案者謝金も措置されており、設計者はプロポーザル方式で選定していくこととなる。
 事業費の財源は、社会資本整備総合交付金を20〜25億円を活用し、残りの事業費の95%に合併特例債約60億円をあてる。市の負担は、建設時の約5億円に加えて、合併特例債の元利償還額のうち交付税措置額を除いた約20億円の計約25億円と試算している。
 管理運営方針については詳細の検討を進めており、市のスポーツ政策などを踏まえ市民のニーズに適切に応えられるようにしていくという。
 維持管理費は、類似施設の事例を参考として、人件費を除いて年間約1億1000万円程度を見込んでいる。これは1uあたり6000円で算出しており、市によると施設全体の延べ床面積は現段階で1万8000〜2万u程度を想定しているという。新体育館は約3600uのメーンアリーナ、約1000uのサブアリーナ、約600uの柔道場、約600uの剣道場のほか◇多目的室◇ウエイトリフティング室◇会議室◇器具庫◇大会本部室・放送室◇更衣室、シャワー、トイレ◇選手控室◇医務室、幼児室、授乳室◇管理関係諸室◇ラウンジ・ロビー◇駐車場・駐輪場−などで構成する。維持管理費には光熱水費や修繕費、保守管理費などが見込まれ、特に空調設備の運転費用が多くなると想定されることから、効率的な施設管理を行い経費の圧縮を図っていくという。
 特別委員会では周辺環境整備や維持管理費の圧縮策など、さまざまな質問が出された。周辺環境整備については新体育館と城南球場間の整備要望などがあがった。
 なお、きょう27日から12月27日までの1カ月間、「高崎市新体育館基本計画(案)」に対するパブリックコメントを実施し、市民の意見を計画に反映させていく考えだ。