庁舎建て替えを計画している弥富市は、施設概要などをまとめた基本設計案を公表した。2013年度中に実施設計をまとめ、14年度に現庁舎を解体した後本体工事に着手する。完成は16年秋ごろを予定している。
既存庁舎を解体した跡地に新庁舎を建設する。そのため庁舎機能の移転が必要となり、既存庁舎南側にある市立図書館の3階と1階部分、桜小学校と十四山支所のそれぞれ一部を改修して庁舎機能を移転させる計画だ。13年度末までの移転完了を目指すため、本体工事とは別途で移転先の改修工事を13年度中に発注する。
基本設計案で示された新庁舎の施設規模は鉄骨鉄筋コンクリート造6階建て延べ1万0985平方bとなっている。各階の構成は、1階と2階は窓口スペースとなり中央に待合ロビーを設け各箇所に執務スペースをそれぞれ整備する。また2階部分には既設の市立図書館との連絡通路を設置する。3階には保健センター(約1000平方b)を整備する計画で、大会議室や保健センター専用トイレ、栄養指導室などを設ける。4階は市長室などの特別職を中心とした執行部や総務、財政、教育関連執務室などを設置するほか、災害時に対策本部となる防災会議室や無線室などを配置して情報発信の拠点フロアとする。5階は議会部門を集約し、議場や委員会室、協議会室などを設ける。最上階となる6階は展望休憩スペースを整備し、市民憩いの場として開放するほか防災倉庫や重要書庫などを配置する計画だ。
新庁舎の大きな特徴としては、1階から6階までフロア中央部分が吹き抜けとなり開放感を演出する設計となっている。また、今後発生が予測される東海・東南海地震などの震災に備え免震構造を用いるほか津波・浸水対策として基幹設備の上階設置や電源のバックアップ機能の充実を図り、液状化対策としては支持杭と砂杭を併用した基礎工法を採用する計画だ。
その他、新庁舎西側に自走式となる鉄骨造2階建ての立体駐車場を建設し178台分を確保する。立体駐車場も新庁舎と連絡通路を設け行き来できる構造を予定している。本体工事と駐車場の工事は一括で発注する見通し。
敷地面積は1万0759平方b。
建設地は前ヶ須町南本田335ほか。
市は現在、基本設計案に対するパブリックコメントを12月17日まで募集しており、今後の詳細設計に反映させより具体的な庁舎の建設方針などをまとめていく。
提供:建通新聞社