日本工業経済新聞社(茨城)
2012/11/21
【茨城】県監理課/格付け基準を公表/表彰評価3年へ縮小
県土木部監理課は、2013・14年度における県建設工事請負業者等入札参加資格の審査基準(格付け基準)を発表した。優良工事表彰の評価対象期間を過去5年から「過去3年」へと変更し加点枠の上限を100点から60点へと狭めた。その一方で、技術者の資格に着目した評価項目を新設して30点の枠を加えたほか、雇用対策で上限を従来より10点多く配点。表彰項目で減らした40点枠を各所に配分し、より技術力を高めようとする業者などを広く評価する。また、S、Aランクに加えBランクにも社会保険加入を義務づけるほか、監督処分を受けた業者や賠償金などの未納業者に対する減点措置を設け、不公平感をなくすための措置が施される。入札参加申請は来年1月17日から2月8日まで受け付け、6月1日から適用する。
優良工事表彰の評価期間と配点は、他県と比べ本県が高い傾向にあり、特に関東圏内では突出していることから、他県並みに合わせた。現行では知事賞(20点)を過去5年連続で受賞した場合が最高の100点となる。この上限を今回の改正で60点に狭めた。
この表彰項目で減らした40点枠を、技術力を高めようとする業者などへ広く配点。
事業者の雇用する技術者の資格に着目した評価項目を新設し、求められる技術者基準を超えて雇用する監理技術者に3点、1級技術者に2点、登録基幹技能者に1点を配点し、最高で30点まで加点。
さらに雇用対策として、被災者や30歳未満の若年労働者を雇用した場合、従来の雇用加点(上限10点)以外に、さらに10点の枠を追加している。
また社会保険未加入への対策として、S、Aランクに加え新たにBランクも加入を義務づける。S、Aランクでの加入状況は資格審査の基準日現在を見るが、Bランクについては申請日現在でも良いこととし、経審(経営事項審査)を受け終わった後で対応できない業者へ配慮する。
監督処分の項目では、決算期の関係により以前の経審で申請する業者への対応策を実施。経審で減点されていない場合には指示処分で21点減点、営業停止で43点減点の措置を講じ、決算期の関係で生じる不公平感をなくす。
また、賠償金や損害金などが2013年3月29日時点で未納の場合、30点を減点。境地区の官製談合事件など、賠償金や損害金などが未納となっている業者へ対応する。
そのほか社会貢献活動の項目では、震災活動の評価を継続。その一方で消防団協力事業所登録事業者への加点(5点)は、その制度自体がない市町村もあることから削除された。
なお総合点数基準については、申請を取りまとめた後でランク別に業者数を勘案して決定する。また発注標準金額は、総合点数基準の変更などにより見直される場合もあるという。
そのほか申請については、前回と同様に市町村との「共同受付」となる。参加する市町村数は21。
申請方法と改正の詳細は、12月中旬をめどに監理課のホームページに掲載される。