名古屋市住宅都市局は、計画途中で事業がストップしている守山区の志段味循環型社会対応住宅の今後の整備について、民間活力を導入する方針を固め、市議会都市消防委員会に報告した。複数のハウスメーカーやゼネコンなどが開発意向を示していることも明らかにした。同局は2013年度に事業者を募集・選定する予定だ。
志段味循環型社会対応住宅は、守山区下志段味地区に「地球と人にやさしい住宅地」をコンセプトとして定住促進住宅200戸を建設する計画。第1工区の74戸はエコビレッジ志段味としてすでに整備を終えている。第2、3工区に残る126戸を建設する予定だったが、市の財政状況などの理由から当初の予定通り建設を進めることが難しくなってきた。志段味地区のまちづくりの観点からも早期事業化や民間施設の併設が望ましいことから、民間活力を導入することにした。
対象の第2工区は、第1工区の東隣の面積約9100平方b。第3工区は第1工区の道路を挟んで南西のはす向かいの面積約1万平方b。
民間活力を導入するに当たり、新たな定住促進住宅の整備は約20戸と大幅に少なくする。定住促進住宅は第2工区に建設する。その他の用地は民間事業者に売却か貸し付けし、高齢者向け優良賃貸住宅や戸建て住宅、民間施設を整備する。コンセプトは当初の計画の「環境」「コミュニティ」「子育て」を維持するため、施設内容にも制限を設ける見込み。
同局は現在、PFI方式など、民間活力導入の手法と可能性を調査・検討している。PFI方式を導入することになれば、市営住宅や定住促進住宅での同方式の導入は同市で初めてとなる。
事業者の募集は、第2、3工区を一括して行う考え。プロポーザル方式の採用を検討している。13年度に事業者を募集・選定し、14年度以降に事業に着手する。定住促進住宅の供用開始は16年度を予定している。
提供:建通新聞社