日本工業経済新聞社(茨城)
2012/11/17
【茨城】水戸市民検討委が報告書提出 防災性に優れた庁舎を
水戸市の「本庁舎等の整備に係る市民検討委員会」が16日、本庁舎前議会臨時庁舎2階で開かれ、斎藤義則座長(茨城大学人文学部教授)が高橋靖市長に報告書を手渡した。報告書では本庁舎のあり方について「耐震性など安全性が高く、防災性に優れた庁舎とすべき」などと提案している。高橋市長はすでに現在地での建て替えを表明。今後は報告書の内容を踏まえ、議会と調整しながら本庁舎の整備を進めていくことになる。
同委員会は様々な分野の代表ら20人で構成され、ことし5月29日に発足。6回の協議で本庁舎の安全性や防災機能の強化、利便性の向上、ユニバーサルデザインの導入やバリアフリー化の推進、環境との共生、庁舎の景観などを検討してきた。
高橋市長は「積極的で活発な議論をいただき感謝申し上げる。いろいろなハードルを乗り越えなければならないが、貴重なご意見を踏まえ、安全安心で快適な市役所を整備していきたい。今後もできあがるまでの過程でご意見を」とあいさつ。
報告書では、本庁舎などのあるべき姿について@安全性が高く、防災性に優れた庁舎A人にやさしい便利な庁舎B環境にやさしい庁舎C市民に開かれた庁舎―と提案。
防災機能については、免震構造の採用や機械設備の耐震性の確保、地盤の調査などを求め、井戸や自家発電システムの設置のほか、再生可能エネルギーの導入やヘリコプターの発着スペースの確保の検討についても触れている。
利便性の向上では、エスカレーターの設置や十分な駐車スペースの確保、食堂やコンビニエンスストアなどの売店の設置を提案。ユニバーサルデザインについては各階に多目的トイレの設置を求めている。
環境面では屋上緑化や敷地内への植栽、エネルギー使用量の「見える化」の導入、節電可能な建築資材の使用などを提案。
このほか、「防災」・「市民サービスの向上」・「まちづくり」の3つの視点から市政へ意見を提出。その中で市民会館について、「中心市街地への移転も視野に入れ、今後のあり方を早急に検討すること」と提案している。
その後の懇談では、委員から現地建て替えについて「アクセス道路や駐車場の狭さが懸念材料」などといった意見が出され、高橋市長は「しっかり点検していく。データが集まればお示ししたい」などと述べた。