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日本工業経済新聞社(茨城)
2012/11/17

【茨城】笠間市立病院建て替えへ 整備方針案を策定 総額16億円

 笠間市は、老朽化が進む市立病院(中央1丁目2―24)について、機能の充実や在宅サービスの強化を図るために建て替えを検討している。このほど整備方針案を作成し、パブリックコメントを開始した。案によれば、建設事業費は総額で16億円と試算。建設場所については現在地での建て替えや市有地などへの移転も選択肢に含んでいる。規模は現在の施設より大きくなる見通し。建設スケジュールは準備期間がおおむね4年から5年、工事期間がおおむね2年を見込む。

 市立病院は1959年に友部町国保病院として開設。79年に全面改築、98年に増築し、現在の規模はRC造2階建て建物面積1591uとなっている。病床数は30床。診療科目は内科・外科・皮膚科。2011年度の入院患者数は5426人、外来患者数は2万3298人。
 建物が手狭で老朽化も著しく、院内にはスプリンクラーが設置されていない。また、リハビリテーションの提供量が不足し、急性期医療と療養、在宅などをつなぐ機能にも課題がある。
 さらに、旧耐震基準で建築されたことから耐震改修工事に多大な費用負担が想定され、部分的な補強や改修では施設の長寿命化につながらず、費用対効果が見込めない可能性がある。
 このため、案では「市民に対し、より良い医療を提供していくには施設面の環境整備を図ることが重要」とし、「今後、おおむね5年から7年までの間に、新市立病院を建設することとする」と結論づけている。
 病院の規模は現在の病床数を基本とする。建設事業費の試算によると、病院本体が30床の場合で5億円(1床約1600万円)、医療機器が5億円、設計・備品・外構などが5億円、リハビリテーション施設を有した場合は施設と備品で1億円。
 なお、現施設を使用し続ける場合は、概算で施設内の一部修繕などに3000万円、医療環境整備(医療機器の更新や電子カルテの導入など)に約3億円、給食施設の修繕に1000万円、全面改修(備品込み)に4000万円から5000万円が必要となるもよう。
 病院の位置は、交通利便性の優れた現在地のほか、移転先としてJR友部駅北側の市有地「笠間キッズ館」隣接地や、県が所有する畜産試験場跡地(平町1718)などを候補に挙げている。ただ、増床の可能性も検討しており、現在地は「敷地面積が6422uで駐車台数が40台と若干手狭」としている。
 整備方針案に対する意見提出期間は来月6日まで。書式は任意とし、郵送やファクス、Eメールなどで受け付ける。その後は年度内に整備方針をまとめ、来年度から具体的な検討を進めていくことになる。