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建通新聞社(静岡)
2012/11/16

【静岡】静岡空港の基幹的防災拠点化が本格化へ―14年度予算で事業化目指す

 富士山静岡空港や静岡県庁など中部地区5カ所での基幹的防災拠点の整備が、2014年度予算編成をにらんで動き出す。大村秀章愛知県知事と会談した下地幹郎防災担当相が、13年3月までに、国として5カ所を基幹的防災拠点として正式に決定していく意向を示した。国土交通省中部地方整備局や県などの関係機関は今後、14年度予算の概算要求をめどに各拠点の機能や、必要な施設の検討を本格化する。
 静岡県庁と名古屋市の三の丸地区に指令塔本部機能、富士山静岡空港と名古屋飛行場、名古屋港に高次支援機能を基幹的防災拠点として整備する構想は、中部地区の国の機関や自治体、経済団体などで構成する中部圏戦略会議がまとめた「中部圏地震防災基本戦略」に盛り込んだ。高速道路のインターチェンジ付近など22カ所に配置する防災拠点とともに、13年3月に「中部圏広域防災ネットワーク整備計画」を策定し、施設の在り方などについて一定の方向を固めることにしている。
 09年に開港した富士山静岡空港の西側には未利用の大規模な土地があり、県はこの土地を広域防災拠点施設の最適地だと位置付けている。基幹的広域防災拠点の整備は、国の中央防災会議が策定する防災基本計画に位置付けられる必要があるため、県ではこれまで、中部地整に事業化を働き掛けるとともに、防衛省や内閣府など関係省庁にも要望を行っている。
 県がイメージしている防災拠点には、自衛隊の応援部隊ベースキャンプ地、自衛隊の活動支援拠点、医療や食料など物資拠点(一時集詰所)の用地として一定規模の敷地を確保するとともに、3階建て程度の管理・ボランティアセンターを設置。管理棟に40人程度の宿泊施設やシャワールーム、現地本部や会議室、広報スペース、自家発電設備などを、ボランティアセンター棟に40人程度の宿泊施設やシャワー室、会議室、執務室などを配置することを想定している。
 また、同空港は浜岡原子力発電所から20`圏内に位置しているため、御前崎市内にあるオフサイトセンターの機能を移転し、「原子力災害支援センター」を設置することを国に要請している。災害対応人員の宿泊施設(200人程度に対応)やシャワールーム、資機材管理施設などを配置する計画。
 国直轄による事業化に向け、施設に必要な機能や規模などの検討を進めていく。
(2012/11/16)

建通新聞社 静岡支社