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日本工業経済新聞社(群馬)
2012/11/14

【群馬】基本計画素案を公表−高崎市新体育館

 高崎市は14日、市議会都市集客施設調査特別委員会に「高崎市新体育館基本計画」の素案をまとめ、報告した。新施設は、主にメーンアリーナとサブアリーナ、柔道場、剣道場で構成し、球技や体操・新体操、武道・格闘技に対応させるほか、エアロビクスなど幅広い競技種目での活用を想定し、人気のフットサルについても技術的な点について検討している。施設構造については、国土交通省の「官庁施設の総合耐震計画基準」による構造体の耐震基準安全性分類のU類を目標とし、非構造部材や建築設備などについても、災害時の安全性に十分配慮する。今後、素案の内容をさらに詰めていき、パブリックコメントを行ったうえで正式に計画を策定する。設計委託方法については、その計画をもとに本年度内にもプロポーザル方式で選定していく考えを示唆した。

 新体育館は、JR高崎駅西口から南方約800mの下和田町4−2−1外の日本製粉工場跡地約2万uに建設する。現在の中央体育館が交通利便性の高い高崎駅周辺に立地しているという利点を継承するとともに、全市的に利用しやすい中心市街地であること、新体育館としての機能を十分担うことができる敷地面積を確保できることなどを考慮して選定された。駐車場については敷地内に200台分程度のスペースを設けたい意向だ。
 用地取得をめぐっては7月に市が日本製粉側に買い取りの申し出を行っており、ほぼ合意に至っている状況と説明。12月定例市議会に用地取得費を盛り込んだ補正予算案を提出し、議会の承認を得た後に仮契約を行い、翌年3月定例市議会での議決を目指す。
 建設地の西方約500mには城南球場や城南運動場もあり、駐車場の連携・補完も可能となる。現在は工業地域(建ぺい率60%、容積率200%)に指定されているが、今後用途地域の変更を行い、商業地域(80%、400%)の準防火地域とする予定。日影規制もない。
 メーンアリーナは、バスケットボールやバレーボールの公式コート4面を確保できる約3600u(85m×42m)とする。卓球の場合だと25面、バドミントンダブルスだと16面、ソフトテニスだと4面、ハンドボールなら1面に対応する広さだ。天井高は、つり下げる設備も含めて15m以上とし、想定する室内競技種目すべての公式基準に対応させる。観客席については、bjリーグやVリーグの公式規定に基づき、固定席・可動席合わせて3000席を確保する。観客席後部にはランニングコースも計画する。
 サブアリーナについては、約1000u(40m×25m)とし、一般利用のほか小規模な大会利用、大規模な大会のウォーミングアップ会場などの利用を想定。バスケットボールやバレーボールでは1面、卓球では6面に相当する。天井高はメーンアリーナと同じ15m以上とし、観覧席は100〜200席程度を予定する。
 柔道場・剣道場は、平日夜間と休日の利用が多く、時間帯が重なることからそれぞれ設置する。小規模な大会に対応できるよう、それぞれ600u程度を確保。柔道畳は電動折り畳み式として柔道で使用しないときは収納できるようにする。双方ともに多目的利用が可能となるよう、器具庫の設置も検討していく。また、可動間仕切りで2室に分割し個別利用ができるようにする。
 このほか、会議室や選手控室、医務室、幼児室、授乳室、ラウンジ・ロビーなども設ける。
 建物構造や工法は、安全性や効率性、経済性を考慮して最適なものを採用する。耐震安全性の目標は「大地震動後、構造体の大きな補修をすることなく建築物を使用できることを目標とし、人命の安全確保に加えて機能確保が図られている」とする国交省の「官庁施設の総合耐震計画基準」による構造体の耐震基準安全性分類U類とする。
 電気設備は、省エネルギー、環境保護、長寿命化に配慮し、維持管理のしやすさを確保しつつ、ライフサイクルコストの低減を図る。将来の設備更新や増設を視野に入れながら計画していく。照明は高効率、省電力型、LEDなどを採用。アリーナの照明設備は屋内競技の公式競技基準となる1500ルクスの照度を確保し、向きや位置なども配慮する。
 空調・機械設備についても同様に省エネなどに配慮する。アリーナ部分は大空間に適したものとし、バドミントンや卓球などすべての室内公式競技に影響がない穏やかな気流を形成する方式の空調とする。
 熱源については機器のイニシャルコストおよびランニングコストのトータルコストを比較検討し、環境負荷の低減などを考慮し最適な熱源を選定していく。また、エコデザインも導入し、Low−Eガラスなどの採用も検討する。太陽光発電設備も設置し、自然エネルギーの利用も積極的に採用し環境負荷の低減を図っていく。