日本工業経済新聞社(山梨)
2012/11/13
【山梨】経済対策で護岸工 6カ所延べ1qを計画 総事業費9・9億見込む
国土交通省甲府河川国道事務所は、緊急経済対策として、富士川流域の護岸工を実施する。笛吹川や釜無川を含む県内6カ所を計画。計約1qにわたり低水護岸の侵食対策を施す。現在測量中で、同事務所では早期契約、着工し地元経済の活性化を目指す。事業費は9億9400万円。
今回の経済対策で使う予算は全国で721億円に上る。河川や道路の整備に計454億円を投入する計画で、このうち本県には富士川流域の改修費9億9400万円を配分する。
九州を襲った豪雨災害を踏まえ同事務所では7月、堤防の緊急点検を実施。堤防崩壊につながるパイピングや流下能力不足、護岸対策が必要な箇所が見つかった。対策が必要なのは、パイピング0・5q、流下能力不足5q、護岸侵食9・5qの計15q。このうち今回の予算は、護岸侵食対策約1qに全額投入する。
具体的な箇所は、山梨市万力地内120m、同市正徳寺地内60m、韮崎市龍岡地内140m、南アルプス市浅原地内200m、同市東南湖地内155m、市川三郷町高田地内350m。
いずれも雑割石を使ったコンクリート護岸工を予定。現在測量中で、これまでの実績を踏まえた歩掛を基に設計・積算を早急に進め、施工者との契約を急ぐ。いち早く契約を結ぶことで前払い金の支払いができるようにし、経済の活性化につなげたい考えだ。
関東地方整備局の発表では、経済対策とあってか、残工事がある場合を除きいずれの箇所も一律「年度内完成予定」。同事務所もその方針に沿って準備を急ぐが、測量段階の現状からみて年度またぎは確実。ただ、経済対策という意味では、完成時期より、まずは契約時期が重要視される。