厚生労働省静岡労働局は、労働災害の増加傾向を重く見て、建設関係を含む全産業の74団体に対して、安全衛生活動を総点検し、労働災害防止活動を強化するよう求める緊急要請を5日付けで行った。同局では「これで災害増加傾向に歯止めを掛けてほしい。引き続き局・署一体となって、災害防止を重点に取り組んでいく」と話している。
今回の緊急要請は、9月末に本省労働基準局安全衛生課長名で行った緊急要請を受けたもの。送付先は、建設関係では建設業労働災害防止協会や静岡県建設業協会をはじめ、管工事、重機、左官など専門工事業団体、生コンなど資材関係団体も含まれている。
緊急要請では、全国と同様に静岡県内でも労働災害(休業4日以上の死傷者数)が2010年、11年と2年連続して増え、ことしも9月末時点の暫定値で前年と比べ4・2%の増加と、増加傾向に歯止めがかかっていないことを指摘。
その上で、安全衛生活動を今一度総点検し、団体としての労働災害防止に向けた取り組みを強化するよう要請している。
同時に、傘下会員事業場に対しても緊急要請の趣旨を周知し、特に@安全衛生管理体制の充実A個々の労働者の状況に即した効果的な安全衛生教育の実施B「見える」安全活動など創意工夫した効果的な自主的安全衛生活動の実施―の3点を重点的に実施するよう求めている。
また、建災防県支部など災害防止団体に対しては、安全管理者や衛生管理者などに対する教育、講習会などで、受講者を通じた指導を要請している。
静岡労働局では、今回の要請による取り組み強化を、12月1日から始まる「年末年始無災害運動」にもつなげていきたい考えでいる。
県内の建設業死亡労働災害は11月6日現在で12件。前年同期と比べ3件の増加。全産業では30件が発生していることから、建設業の占める割合は40%と高率になっている。
(2012/11/9)
建通新聞社 静岡支社