日本工業経済新聞社(山梨)
2012/11/08
【山梨】レイアウト案決まる 来年度設計、着工へ 甲府駅南口周辺整備
県と甲府市などで計画する甲府駅南口周辺整備で、駅前広場のレイアウト案が固まった。広場西側を一般車、中央をバス・ロータリーのゾーンとし、東側に広場を配置。議論を呼んだ駅から平和通りまでの横断方法は、横断歩道とした。来年1〜2月頃には詳細設計に入り来秋着工、2016年秋完成を目指す。整備は西側から進める。
各方面から多くの意見、要望があった新たな甲府駅南口のレイアウトがようやく決まった。6日に開かれた県と甲府市との会議で県都市計画課は、駅前広場のレイアウト案を提示。同案が承認され、いよいよ年明けには詳細設計に入る。今回提示したレイアウトなど計画の検討業務は、エイト日本技術開発が担当。来年1〜2月に開く次回会議後には詳細設計を発注し、具体的な整備メニューを決めていく。
レイアウトをみると、広場西側、現在駅利用者駐車場としている場所には、一般車両を集める。信玄公像がある隣接地と同じ高さまで敷地を底上げし半地下構造に整備。地上に送迎車ロータリーや駐車場、地下に駐輪場を設ける。駐車台数など詳細は設計とともに決めていく。隣接する公衆トイレも整備にあわせ改修。周辺の植栽も配置などを見直し再整備する。信玄公像はそのまま。
中央に位置するバスやタクシーのロータリーには、バス6台分、タクシー4台分の乗り場を設置。タクシープールは6台のみとし、その他のタクシーは近隣に待機する。一般車とバスとの動線を分けたことで、道路を渡ることなく駅から乗場まで行ける。
東側には交流スペースとして広場を整備する。広場中央にあるバス待合所は撤去し近隣に新設。広場には植栽のほか山梨らしさが出るような装飾などを検討する。案として「太陽光パネル」「ブドウ棚」「宝石」をモチーフにしたものが挙がっているという。
平和通りから駅東側へと抜ける道路も整備。従来通り対面通行とする。ただ広場と平和通りとの間につくるため、広場と道路の舗装の色を統一するなどして歩行者に配慮する。横断方法は、交通シミュレーションを基に検討した結果、横断歩道とした。
「歩いて楽しいまち」を目指し、駅周辺から甲府市役所までの間の歩道は一体的に再整備する。凹凸がなく起伏も少ないように周辺一帯の歩道の高さを均一化する。素材にも山梨らしさを求め、県産材などいくつかの案から絞り込む。
平和通りについては、アーケードの撤去と歩道の再整備、道路両側への植栽は行う。商店街の外観を統一するよう看板などの整備も検討。それ以外の整備メニューについては、今後の商店街の活性化策を踏まえ決める。
工事期間は3年程度を見込む。まず西側一般車ロータリー付近の造成から始め、その後中央、東ゾーンへと進めていく。完成は16年秋頃を予定する。