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建通新聞社(静岡)
2012/11/07

【静岡】災害リスクの高まりやインフラ整備の進展を反映へ―静岡県が次期社会資本整備重点計画策定へ

 静岡県は、2013〜17年度の5年間を期間とする次期「県社会資本整備重点計画」を策定する。災害リスクの高まりに対する防災・減災対策や、新東名高速道路をはじめとしたインフラ整備の進展と活用、社会資本の質と量の最適化などを新たな視点に、中長期の社会資本整備の方向と計画期間内の重点目標、分かりやすい指標を定める。取り組みを進めるに当たっての視点として、「社会資本整備の担い手である建設産業等の再生や人材の確保」を新たに加える。12年度中に“暫定版”をまとめ、13年6月に公表する県の第4次地震被害想定などを踏まえて暫定版を見直し、最終計画を策定する。6日に開いた県社会資本整備重点計画策定委員会でたたき台となる県の考え方を示した。
 次期計画では、東日本大震災による甚大な被害や、新東名開通を契機とした内陸部の発展の可能性を新たなポイントとし、防災・減災対策やインフラ(新東名、富士山静岡空港、リニア中央新幹線)の進展と活用、社会資本の質と量の最適化などに重点を置く。
 「安全・安心」「活力・交流」「環境・景観」の大きく三つの分野で社会資本整備を進める方針は現行計画と同じだが、安全・安心を最優先すべき事項に設定。大規模または広域的な災害リスクの低減、多様な交流を支えるネットワークの充実、快適な暮らし空間の実現、社会資本の的確な維持管理・更新の実施を重点目標とする。
 その上で、実施すべき事業・施策を横断的に整理するとともに、現在の県の総合計画や「内陸のフロンティアを拓(ひら)く取り組み」などの政策を反映。達成状況を定量的に把握できるよう、分かりやすい目標と指標を設定する。その際、県が集中投資をしていることが県民に伝わるような目標・指標の設定を行う。
 今後、事業の洗い出しや目標・指標の整理などを行い、有識者などで構成する策定会議での検討を行った上で、12年度末までに暫定版の計画をまとめる。
 09年度にスタートした現行計画では、「活力・交流」「安全・安心」「環境・景観」の三つの分野で取り組む16目標と73指標を設定している。しかし、▽中長期的な社会資本の在るべき姿が不明確▽現行の県の総合計画などが反映されていない▽総花的で何が重点化されているか不明確▽目標と指標が分かりにくい―などが課題となっている。そこで、09〜12年度に策定された国・県の各種計画や、補助金の在り方、大震災の教訓などを踏まえて現状の課題を整理。県民に分かりやすい目標や効果の表現、効率的な予算の配分を可能にする選択と集中の整備を目指し、新たな計画を策定する。
(2012/11/7)
建通新聞社 静岡支社