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建通新聞社(中部)
2012/11/05

【愛知】いつき会 守山市民病院の譲渡先に決定

 医療法人いつき会(犬山市上坂町5ノ232、佐藤正樹理事長)が、名古屋市の東部医療センター守山市民病院の譲渡先に決定した。今後、いつき会と市は、譲渡に伴う基本協定を締結。2013年2〜3月をめどに譲渡契約を結び、同年4月1日からいつき会が同病院の運営を開始する。いつき会は、移管後に診療棟などを解体して新棟を建設、既存の病棟を改修する予定。
 いつき会が提出した事業概要によると、病床数は現在と同じ101床。内訳は療養病床86床、緩和ケア15床。外来人工透析60床とデイケア(通所リハビリテーション)も計画している。診療科は内科、呼吸器内科、循環器内科、整形外科、小児科、皮膚科の6科で、現在の11科から縮小した。
 現在の病院施設は、診療棟(鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建て延べ4392平方b、1970年建設)、病棟(鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上6階建て延べ7512平方b、93年建設)、リハビリ棟(鉄骨造平屋246平方b、84年建設)、MRI棟(鉄筋コンクリート造平屋251平方b、97年建設)など。診療棟は2002年に耐震工事、09年度にライフライン設備などの改修を終えているものの、施設全体の老朽化が進んでいることから、改築を選択したようだ。
 新棟は、診療棟のほか、リハビリ棟とMRI棟を解体して建設する。診療棟は建設位置にあたる北側部分と、建設中に診療を続ける南側部分に分けて解体。病棟の改修も、入院エリアを制限して施工し、治療を継続する。
 同病院の民間譲渡は、医師不足や経営安定化などの課題を民間のノウハウを生かして解決するために実施。名古屋市病院局の病院を民間に移管するのは、西部医療センター城西病院に続き2例目となる。事業者の公募は6〜8月に第1回の募集を実施したものの応募者がなく、解体費用を市が負担するなど条件を見直して再公募していた。再公募の応募者は、いつき会1者。10月29日の選定委員会を経て決定した。
 同病院の所在地は名古屋市守山区守山2ノ18ノ22。敷地面積は約1万3842平方b。土地と建物の譲渡額は15億1214万1744円で、内訳は土地が10億6590万7920円、建物が4億4623万3824円。市が負担する解体費は建物売却価額の4億4623万円余りを上限としており、実質的に土地価格のみで譲渡することになる。

提供:建通新聞社