静岡県は、森林所有者などによる「森林経営計画」の樹立(策定)を促進する。低コストの木材生産システムの導入や一体的な森林整備など森林施業の集約化を加速し、県産材の生産を促すことが狙い。2012〜16年度の5年間で、森林経営計画の認定面積を約10万fとすることを目指す。
森林経営計画は、森林所有者や森林経営の委託を受けた者が、単独または共同で行う森林の施業や保護について、40年間の長期見通しと、1期5年間に実施する間伐や主伐などの伐採計画、新たに整備する作業道や既存の作業道などの維持管理に関する計画をまとめ、所在する市町(複数の市町にまたがる計画は県)の認定を受ける。
対象は、面的にまとまりを持った森林で、一つの林班(自然地形を用いて境界を設定した森林区画の単位)または隣接する複数の林班の2分の1以上の面積で作成する「属地計画」と、100f以上の森林を単独で所有する者が、所有森林全てを対象とする「属人計画」。
12年度にスタートした新たな制度で、今後、この計画の策定が補助対象の要件となることから、県では計画策定に必要な経費の助成や、森林情報システムを活用した森林経営計画書作成支援システムの配布などによって、森林所有者などの計画策定を促す。
県は12年度の目標面積を1万3000fに設定しているが、9月までに引佐森林組合など3件・1468fが認定を受けており、年度末までに74件・約2万fの認定を見込んでいる。
(2012/11/5)
建通新聞社 静岡支社