三重県教育委員会は、県立高校の適正規模・適正配置の観点に立った学習環境を整備するため、「伊勢志摩」「伊賀」「紀南」の各地域における地域の学校の在り方や活性化の方策などの協議を進めている。特に「伊賀地域」では、名張市内の名張桔梗丘高校と名張西高校の2校の統合に向けて、時期や設置場所を2012年度内に示していく考えだ。
県では、教育関係者や有識者、地元関係者らの委員で構成する学校活性化推進協議会を各地域で発足させ、地域の高校について、15年度以降の少子化に対応しながら、活性化させるなどの高校の在り方を協議してきた。同協議会での意見を踏まえて「県立高等学校活性化計画」(仮称)」を12年度末に策定する計画だ。
各地域協議会に示された県側の案などは次の通り。
〈伊勢志摩地域〉
15年度以降の高校の配置について、小規模4校(鳥羽、志摩、水産、南伊勢高校)の今後の入学者減少状況を踏まえて、総合的な案を提示。南勢校舎(南伊勢町)1学級、度会校舎(度会町)2学級からなる南伊勢高校について、15年度までに度会高校を1学級とするとともに、両校舎を将来的にそれぞれ他の高校の分校とすることの検討を進める。
同地域には、13年度時点で9校42学級あるが、入学者の減少により、15年度には38〜39学級、21年度には30〜32学級が適正規模と想定している。
〈伊賀地域〉
学習内容や進路状況などに共通点が多い名張桔梗丘高校(名張市桔梗が丘7)と名張西高校(名張市百合が丘)について、7学級程度の1校に統合し、それぞれの特色を併せ持つ魅力ある学校とする、という方向性で協議を進めてきた。県側は、現中学生の進路を考慮し、「15年度の統合は行わない」という方針を示し、その後の統合の「時期」「設置場所」について、協議を進め、12年度末を目標に検討結果を示す意向だ。なお、統合後の設置場所については、交通の利便性を重視しつつ、新しい学校の具体像との関連において、検討していくべきとした。
〈紀南地域〉
今後、減少が予測される中学校卒業者数を勘案し、19年度以降の木本高校(熊野市)〈5学級〉、紀南高校(御浜町)〈3学級〉の2校の統合を視野に入れた15年度から18年度のたたき台として、県側が2案を示した。1案は、地域の状況を踏まえ、2つの高校を選択肢として残す「2校存続案」。2案目は両校を統合し、「新高校設置案」として6〜8学級程度とする案。なお存続案の場合、分校方式の導入の検討も必要で、さらに将来的には統合の検討も必要になるものとしている。
提供:建通新聞社