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福島建設工業新聞社
2012/10/30

【福島】県環境創造センター/早急に設計者選定手続き

 放射性物質による環境汚染回復のための研究拠点施設に位置付ける「仮称・県環境創造センター」の基本構想が固まったことで県は、早急に施設の設計委託手続きに入る意向だ。選定手法について近日中に方針を出す。建物はセンター機能の中心になるA施設3棟を三春町の田村西部工業団地、原子力関連施設周辺のモニタリング機能を担うB施設を南相馬市・萱浜ニュースポーツセンター広場に立地させる。先行整備するA施設本館とB施設は、来年度当初から実施設計に移行、来年秋ごろの工事着手を目指す。
 設計は基本・実施一括、A施設とB施設を合わせての委託になりそうだ。
 原発事故で出た放射性物質による汚染状況の詳細なモニタリング、放射性物質の動態解明、除染技術開発などに取り組む環境創造戦略拠点として整備する。国際原子力機関(IAEA)の研究機能や日本原子力研究開発機構(JAEA)を招致するなど、国内外の研究機関との緊密な連携・協力体制も構築する。
 センターは大きく、A施設とB施設の2つで構成。@モニタリングA調査・研究B情報収集・発信C教育・研修・交流の機能を持つA施設には本館5000m2、研究棟6000m2、交流棟5000m2程度の3つを置く(建物面積は最大想定値)。企業局所有の田村西部工業団地内8haの敷地のうち4ha程度を使う。
 野生動植物や湖沼のモニタリング等を効率的に行うため、県鳥獣保護センターの活用も含め、本館の付属施設2カ所(500m2)の整備も検討する。
 B施設は3000m2程度で、南相馬市が持つスポーツセンター内の3・7haのうち1〜2haを建物敷地とする。
 建物はいずれも2階建ての簡易方形な建築物とし、放射線の遮へいや防災拠点として必要な耐震構造上、RC造を基本とする。
 施設整備費は概算で調査・設計費5億円、工事費(土地造成費込み)が施設A67億円、B13億円、主要設備購入費が15億円の計100億円を見込んでいる。
 県は、今年度9月補正で事業費2億2034万6000円を予算化しており、早急に設計者の選定手続きに入る。追って敷地の測量調査や地質調査も発注する。生活環境部の水・大気環境課が発注関係の窓口になる。
 実施設計は25年度当初で予算措置をした上で、A施設の本館とB施設を先行させ、10月ごろまでに完了、2施設に着工する。B施設と本館の一部機能は27年度当初の供用開始を目指す。A施設の研究・交流棟は遅れて25年度末ごろに工事着手、28年度の全体供用を図る。工事の発注手法等についてはまだ方針が固まっていない。