北海道建設新聞社
2012/10/30
【北海道】排雪用ダンプの保有台数、1年で1割減少−札幌市がアンケート
札幌市雪対策室は、排雪用ダンプトラック事業者へのアンケート結果をまとめた。これによると保有台数は、2011年度の1142台に対し、12年度は11%減の1005台に減少。公共工事縮減の影響で台数削減に努める事業者側の厳しさが浮き彫りになった。雪対策室では「この落ち込みが市民生活に直接大きな影響を与えるものではない」としているものの、これから詳細に分析し、除排雪体制の安定維持に向け施策を推進する方針だ。
アンケートは景気低迷や公共工事縮減から除排雪を取り巻く環境が厳しさを増す中、排雪用ダンプトラックの実態を把握するため初めて実施したもの。保有台数や契約単価、域外からの滞在費用などの現状を聞いた。
市の除排雪事業に関係する札幌近郊をはじめ函館、旭川、室蘭、釧路、帯広、北見地区の256社が対象で、7月4―24日に145社から回答を得た。回答率は56.6%。
保有台数を見ると、11年度は札幌運輸支局管内が806台、管外が336台だったが、12年度は管内が23台減の783台、管外が114台減の222台で、管外の落ち込みが目立つ。しかし5年後の見込みは、管内748台、管外309台の計1057台で、11年度比7%減と若干上昇。管外の回復傾向が目立つが、現時点では増加の根拠までは判明していない。
一方、市の運搬排雪参入に対する意向は、11年度の参加台数746台に対し、12年度は2%減の729台とほぼ横ばいだが、5年後は2割減の604台とダウン。雪対策室の担当者は「ダンプを5年後に保有していても、市の仕事をしているかどうか分からないとする先行き不透明感の表れでは」と捉えている。
契約単価・契約条件は、8割が時間単価制で、最高額6300円、最低額4200円、平均4773円という結果が出た。金額区分では4800円との回答が22%で最も多く、次いで4500円が21%、5000円以上が20%という状況。支払い条件は7割超が現金だった。日単価制は平均が3万8220円、回数単価制は平均が3479円で、いずれも全体の約1割にとどまった。
滞在費用には、市外46社のうち4割弱の17社が回答。1泊当たり4000円から4999円が最多となっている。
一方、東北の復興事業への参入見込みについては、現時点で「参入予定なし」が7割の98社に上った。ほかに「ゼネコンなどからの打診あり」が18社12%、「未定だが参入希望」が14社10%で、「参入決定」は6社4%にとどまり、今のところまとまった台数が流出する兆しはない。
マルチと市に対しての要望事項を見ると、マルチ、市ともに最も多いのが「単価アップ」。これに「最低補償の充実」「支払い条件の改善」が続いている。
自由回答では、滞在費用・滞在場所の確保、公共工事縮減や燃料費高騰による車両更新の困難さを上げる声が目立った。