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建通新聞社
2012/10/25

【大阪】全建・国交省の近畿ブロック会議 法令遵守ガイドラインの積極的展開などテーマに議論

 全国建設業協会(全建、淺沼健一会長)と国土交通省が共催する2012年度近畿ブロック会議が10月24日に和歌山市内で開かれ、建設業法令遵守ガイドラインの積極的な展開、低入札調査基準価格の引き上げなどをテーマに意見を交わした。
 冒頭、大臣官房の深澤淳志技術審議官は「社会資本整備は、地域を守る建設業者が適正な利益を確保し、安心して工事を手掛けてもらうことが大前提。また、技術開発が進む中で発注者・受注者の役割分担も見直す必要がある。一つ一つ課題が解決できるよう、具体的な議論をしていきたい」とあいさつ。
 淺沼会長は、「建設業界は若年入職者が減少しており、このままでは国民の安心・安全が守れなくなる。人材確保のためのキーワードは賃金・誇り・将来展望であり、社会環境に応じて入札契約制度や建設生産システムを改善することが望ましい。行政と知恵を出し合いながら良い方策を導き出したい」と話した。
 協会側からの提案議題は、▽社会資本整備の推進と受注機会の確保▽建設業許可要件の見直しと経営事項審査のさらなる厳格化▽建設産業における若年入職者の確保・育成▽ダンピング防止対策と低入札調査基準価格の引き上げ▽発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドラインの積極的な展開▽公共工事設計労務単価の決定方法の見直し−の6項目。
 建設業法令遵守ガイドラインについて協会側は「元請け・下請け間の指導徹底が強化されているが、発注者・受注者間では効果のある運用が図られていない」と指摘、民間工事での指導を求めた。これに対し国交省は、立ち入り検査や講習会を通じて不動産業関係団体などに周知していくと回答。
 また、低入札調査基準価格引き上げの要望に対しては、工事の品質と入札価格の関係を把握し、客観的なデータによる説明が可能になれば対応するとの考えを示した。