岐阜県は、緊急輸送道路の見直しなどといった緊急性が高い検討課題について対策の検討や、政策の調整、進捗管理を行うため「岐阜県防災対策推進会議」(会長・古田肇岐阜県知事)を設置し、18日に第1回の会議を行った。
会議では、緊急性の高い項目として▽防災情報通信システムの見直しについて▽緊急輸送道路の見直しについて▽原子力防災対策について―の3つを検討課題とした。特に防災情報通信システムの見直しと緊急輸送道路の見直しについては、11月下旬に開催する第2回会議で方針を決定することとし、ワーキンググループを設置して実務的な検討を行っていく。また、12月末には岐阜県独自の地震被害想定調査の最終とりまとめを行い2013年1月中旬は公表する。1月下旬には第3回の会議を開催し検討結果の報告などを行う予定。
緊急輸送道路の見直しにに関する検討すべき具体的課題は@防災拠点施設の現状を踏まえた緊急輸送道路指定の検討として、県独自の地震被害想定を踏まえ、現状の防災拠点および緊急輸送道路ネットワークが適切かどうかを検討A緊急輸送道路のっ地震対策及び沿道建築物の耐震化の重点的取り組みの検討として、これまでの取り組み状況や県独自の地震被害想定などを踏まえ、重点的な取り組みを進める場合の有効性や課題について検討BAを踏まえた緊急輸送道路の具体的な地震対策および沿道建築物の耐震化促進施策の検討―を行う。
岐阜県では、1995年の阪神・淡路大震災を受け翌96年に地域防災計画などを策定するための基礎となる県緊急輸送道路ネットワーク計画を策定していた。現在、県は緊急輸送道路上の橋梁耐震対策や防災点検要対策箇所の整備を優先的に実施している。また、緊急輸送道路沿道の建物についても耐震診断や補強工事の助成制度を設け建物の耐震化を促進している。第1次緊急輸送道路ネットワークは、県庁所在地と地方生活圏の重要都市を連絡し広域の緊急輸送を担う道路で、名神高速道路や国道19合、県管理国道など29路線・延長942・9`。第2次緊急輸送道路ネットワークは、第1次緊急輸送道路と防災拠点を相互に連絡し、地域内の緊急輸送を担う道路で、県管理国道114路線や主要地方道路59路線など320路線・延長1395・9`。第3次緊急輸送道路ネットワークは、第1次、第2次緊急輸送道路と広域防災拠点(広域避難地)を相互に連絡し、地域内の緊急輸送を担う道路で、県管理国道1路線や一般県道17路線など113路線・延長121・4`。
同会議は、庁内横断的な合議体として、防災対策の推進に関する特定課題の対策の検討や政策の調整などを行う。構成は知事を会長、両副知事が副会長を務め、委員は各部の部長などの幹部会議のメンバー。
議事に先立ち古田肇岐阜県知事は「巨大地震やその他の大規模災害に対する対策を関係部局が連携し横断的に合議していく。具体的な対策を念頭に置いて参加してほしい」などとあいさつした。
提供:建通新聞社