国土交通省四日市港湾事務所は19日、津市内で、「津松阪港津地区(阿漕浦・御殿場)整備方策検討委員会」(委員長・水谷法美名古屋大学大学院教授)の2012年度第2回会議=写真=を行い、堤防の基本断面案など具体的な構造について協議した。同事務所では、年内に3回目の会議を行い、整備計画をまとめ、13年後半から工事に着手する方針を示した。
会議では、ワークショップ(第1回・8月23日開催)の意見などを踏まえ、堤防の基本断面の考え方として、天端高6b、天端幅5b程度を基本諸元として複数の案を示した。このうち、天端高を確保するため、堤体を鉛直方向に拡大、天端幅を確保するため海側に拡大する傾斜式の構造を安定性、経済性の観点から基本形とし、パラペット高は眺望の確保や転落防止の観点から80aとした。なお、各工区で、土質条件や利用条件などが異なるため、現場条件に応じた断面案を設定する。また、堤防は道路としては位置付けないとした。このほか、階段、スロープなどの付帯施設として、階段だけのケースと、階段とスロープを合せた2案の考え方を示し、約300bおきに1カ所以上の設置を基本とした。
協議では、既設の堤防道路の階段の出っ張りについて、構造上の問題や車両の速度を抑制する効果の有無などの観点から必要性などについての質疑が行われた。
津松阪港津地区の海岸保全施設整備の対象地区となる阿漕浦・御殿場地区は、津市の相川の河口部から御殿場海岸を経て、岩田川河口付近の阿漕浦海浜公園までの延長3485b。台風13号(1953年)の被災後に建設された三面張り形式の護岸。現状の天端高は4・94〜5・94b、天端幅は4〜8b。
今後、11月上旬にワークショップ、幹事会を実施、その意見などを踏まえて、12月中旬に第3回委員会を行う予定。
提供:建通新聞社