日本ジオパークに認定された「伊豆半島ジオパーク」で、観光交流人口の増大などを狙って地元が求めている拠点施設について、川勝平太知事が旧県立大仁高校を候補地の一つに掲げた。15日に開いた移動知事室で、関係者との意見交換の中で考えを示した。同校の跡地(跡施設)の具体的な利活用計画はないものの、施設整備に当たっての事業主体や整備内容などの検討が必要なことから、関係市町などの意向を踏まえた上で、利活用の可能性を探る方針。
ジオパークとは「地球活動の遺産を主な見所とする自然の中の公園」(日本ジオパーク委員会)。これを保全・活用することで経済・文化活動を高め、地域振興につなげることが狙い。
伊豆半島13市町と県、観光協会などが2011年3月に伊豆半島ジオパーク推進協議会を設立し、伊豆半島の新たな価値を知り、役立てていくため、ジオパークの認定に向けた取り組みを展開。ことし9月25日に開かれた日本ジオパーク委員会で「日本ジオパーク」として認定された。今後、ジオガイドの養成やジオツアーの実施などを行いながら、2015年の「世界ジオパーク」の認定を目指している。
移動知事室では、観光客の受け入れやジオパークの学習の場としての拠点整備を求める声に対し、川勝知事が、県立高校の再編で廃止した大仁高校の施設の一部を活用することが考えられるとした。
大仁高校には、管理教室棟(鉄筋コンクリート造4階建て延べ4680平方b)や特別教室棟(同造4階建て延べ2006平方b)、屋内運動場(鉄骨造2階建て延べ1423平方b)、屋内運動場(同造2階建て延べ860平方b)などの建物が残っている。一定の耐震性を確保しており、県を含めて利活用していないため、具体的な活用の計画があれば対応することは可能という。
ただ、拠点施設を整備する場合の事業主体や費用負担などは現段階で白紙の状態のため、関係市町などの意向を踏まえて利活用の協議を進めていく方針。
(2012/10/19)
建通新聞社 静岡支社