岐阜県は、地震災害発生時において防災拠点として重要な機能を果たす必要がある総合庁舎の耐震化を計画しており、西濃総合庁舎本館棟の耐震補強工事の実施設計を木村建築設計事務所(大垣市)に、中濃総合庁舎本館棟を荒井建築設計事務所(郡上市)にそれぞれ委託した。設計工期はいずれも2013年1月末ごろまでの予定。
12年度は、これらのほかに中濃総合庁舎機械試験室の耐震補強実施設計を委託する予定で、10月中に指名競争入札で決定する。補強工事は13年度以降に優先度に応じて順次進めていく予定。
西濃総合庁舎・本館棟の規模は、鉄筋コンクリート(RC)造5階建て延べ6953平方bで、1971年に建設された建物。補強計画は大建設計(岐阜市)が担当した。補強方法としては、鉄筋コンクリートによる外付け工法。所在地は大垣市江崎町422ノ3。
中濃総合庁舎・本館棟の規模は、RC造5階建て延べ5117平方bで73年建設。補強計画はデザインボックス(岐阜市)が担当。補強方法は、鉄筋コンクリートによる外付け工法と内部の柱1本をコンクリートで巻きたてる。所在地は美濃市生櫛1612ノ2。
また、これから耐震補強設計を委託する中濃総合庁舎・機械試験室の規模は鉄骨造平屋542平方bで73年建設。補強計画は川上建築事務所(岐阜市)が担当。
県では県有建築物耐震検討委員会の検討結果をもと、耐震診断で耐震性が不十分と判断された総合庁舎建物12施設について、優先順位の高いものから順次計画的に耐震補強事業を実施していくこととしている。
耐震性が不十分と判断されている12施設のうち、12年度に実施設計を委託する3施設(今回委託分を含む)を除いた9施設は、下呂総合庁舎・本館棟(下呂市萩原町羽根2605ノ1)と可茂総合庁舎・本館棟と家畜保健棟(美濃加茂市古井町下古井2610ノ1)、恵那総合庁舎・本館棟と家畜保健棟(恵那市長島町正家後田1067ノ71)、東濃西部総合庁舎・本館棟と東濃子供相談所棟(多治見市上野町5ノ68ノ1)、郡上総合庁舎・本館棟(郡上市八幡町初音1727ノ2)、飛騨総合庁舎・厚生棟(高山市上岡本町7ノ468)。
このうち下呂総合庁舎本館棟は新生建築事務所(岐阜市)、可茂総合庁舎本館棟は各務設計事務所(岐阜市)、恵那総合庁舎本館棟はノア研究室(岐阜市)、東濃西部総合庁舎本館棟は荒井建築設計事務所(郡上市)が補強計画を担当。その他の5施設についてはまだ委託していない。
提供:建通新聞社