トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(静岡)
2012/10/17

【静岡】内陸のフロンティア拓く取り組みなどで特別枠―静岡県の13年度予算編成

 静岡県は、2013年度の当初予算編成に当たり、南海トラフの大地震・津波などに対応する新たな対策の確立をはじめとした「内陸のフロンティア」を拓(ひら)く取り組みや、エネルギーの地産地消に「特別枠」を設けるなど重点を置く。一方、370億円もの財源不足が現段階で見込まれるため、基金の取り崩しとともに、徹底した歳出のスリム化と歳入確保に取り組む。経営管理部長が15日、予算編成要領を各部局長などに通知した。
 13年度の県税収入は依然として先行きが不透明で、社会保障関係経費や公債費などの義務的経費の増加傾向が続くことから、財源不足額が現段階で370億円に上ると試算。引き続き厳しい環境下での予算編成が必要と判断した。
 一方、県の総合計画「“ふじのくに”のグランドデザイン」の基本計画の最終年度を迎えるため、計画の達成を目指した取り組みを全庁挙げて推進する必要があるとし、地震・津波での新たな対策を含めた内陸のフロンティアを拓く取り組みや、雇用創造アクションプランに基づく雇用対策、エネルギーの地産地消に重点を置く方針を明確にした。
 こうした状況を踏まえ、当初予算編成に当たって財政を健全化するための枠組みを堅持。今後の財政運営を勘案して基金の一部240億円を取り崩して財源不足を縮減する。
 また、歳出のスリム化によって80億円の支出を抑制するよう、義務的経費や義務的経費に準じる経費について「マイナス10%」の効率化目標を前年度に続き設定する。
 さらに、県民による事業仕分けの結果などを踏まえた事務事業や補助金、団体負担金、内部管理経費などの見直し、県有施設の効率的な管理を徹底するとともに、事業の重点化・効率化、行政目的が既に達成された事業や必要性の低下した事業を廃止する。未利用財産の売却や特定目的基金の有効活用のほか、歳入確保に向けた新たな取り組みを進めることで、50億円を確保する。
 一方、戦略的政策展開として位置付けた@「内陸のフロンティア」を拓く取り組みA社会経済情勢の変化を受けた喫緊な課題への対応B最終年度を迎える総合計画の目標達成に向けたさらなる取り組み―に基づく新規・拡充事業や、「ふじのくにづくり推進事業」の継続事業に特別枠を設定。効率化目標の対象外にする。
 建設関連事業についても、まず義務的事業について年間所要額を精査して予算計上。徹底した歳出のスリム化と歳入確保を行った上で、真に必要と認められる額を計上する。部局ごとの予算の骨格を示す部局調整案の作成に当たって「実質的な削減で5%以上」の基準を設けており、地震・津波対策などを除き投資的経費の抑制傾向が続く見通し。
(2012/10/17)
建通新聞社 静岡支社