建通新聞社四国
2012/10/16
【高知】県河川課の地震対策 9月補正で約7億増額
高知県土木部河川課では、南海地震対策を加速化させるため、地震高潮対策事業費などとして9月補正予算で6億9600万円を増額した。当初からの累計は15億3600万円となっている。今後、鏡川や江ノ口川で河川堤防の耐震対策や、浦戸湾流入河川の排水機場の耐震化を土木事務所から順次発注する予定。
県では、地震発生時に想定される高知市中心部の地盤沈下対策や液状化対策を促進するため、国分川、江ノ口川、鏡川の3河川で堤防耐震化を優先して進めている。鏡川では、2014年度までの3カ年で、河口部から天神大橋上流付近までの左岸側延長約2`、江ノ口川では、河口部から海老ノ丸の排水機場までの両岸延長約0・6`が対象。国分川右岸の青柳町から小倉町までの耐震化は完了している。
耐震対策では、堤防の天端から矢板を2本並行に打ち込み、堤体の下の液状化層まで到達させ、液状化対策を図る。これにより、地震発生時の堤防の沈下量を抑え、長期浸水の期間を短縮する。鏡川の堤防高は、基礎部から天端まで5〜6bほどあり、その下の液状化層まで含むと、矢板の高さは10〜20bほどとなる。堤防上部はコンクリートやアスファルト舗装を施し段差をなくす。なお、12年度は鏡川大橋から九反田橋付近まで、いくつかの工区に分け発注する予定で調整を進めている。
排水機場の耐震化は、鹿児川、本江田川、下田川の3カ所で進める。各施設ともポンプの入っている建屋やゲートなどを対象に、耐震壁増設や開口閉塞補強、ゲート門柱のコンクリート部材補強など箇所によっての最適な工法で進める。工事は14年度までの3カ年で進め、単年度ごとに範囲を決めてそれぞれ発注する。12年度の工事内容は現在調整中。