建通新聞社
2012/10/15
【大阪】大阪府 府庁舎本館耐震 工事の発注を2013年度に延期
大阪府は、本年度に予定していた庁舎本館耐震改修工事の発注を2013年度に延期するとした。咲洲庁舎の抜本的耐震対策や、活用策の検討が本年度末までかかることなどが要因とみられる。両庁舎の位置付けを明確にした上で、本庁舎の改修内容を確定する。
当初は、耐震改修(その他特殊工事)と機械設備、電気設備に分け、第4四半期に発注するとしていた。耐震改修はWTOの対象工事を見込む。工期は36カ月間。
実施設計を随意契約で松田平田設計大阪事務所(大阪市西区)が担当。府庁舎本館(大阪市中央区)のうち、歴史的・文化的価値の高い東館は基礎免震と耐震壁で耐震補強。西館は建築的価値が低く、長期的な保存の必要性も低いとして東館の耐震完了後に撤去する方針。
東館はE字型の施設で、延べ約2万5000平方b。耐震改修後のIs値は0・9となる見込み。工事費は約70億円を概算している。西館は東館の西側に増築したコの字型施設で延べ9000平方b。撤去費用は約3億円を概算する。併せて、現庁舎の執務環境改善工事を実施し、老朽化した執務室・廊下などの内装・設備を全面的に改修する予定。12年度予算で債務負担行為(12〜16年度)で限度額10億7000万円を設定している。
咲洲庁舎(大阪市住之江区)では、東日本大震災時の被害を踏まえて本年度から耐震改修を行うが、これは暫定的なものという位置付け。抜本的な対策は、今後検討する予定で、使用用途などにより、本庁舎の役割も変わってくる。