岐阜県県土整備部は、7月9日に揖斐川町徳山地内で地すべりと見られる変状が見つかったことを受け、対策工法などを検討するため、3日に第1回の「国道417号揖斐川町徳山地区地すべり検討会」(委員長・八嶋厚岐阜大学理事兼副学長)を開催した。検討会では、地すべりの管理基準と表層崩壊の管理基準を併用して行くこと、今後も観測を続け新たな挙動が見られた場合は地すべり機構の解明に着手することなどを決めた。
同委員会は、国道417号の揖斐川町徳山地区において路面および擁壁にひび割れや段差が見つかり、岐阜大学の沢田和秀准教授らによる現地調査で地すべりとみられる変状であることが確認されたため、同地区の地すべり対策を検討するため、岐阜大学の八嶋厚副学長らの専門委員や国土交通省越美山系砂防事務所の佐藤康之所長らの行政委員で構成されている。
県では、7月9日に変状を確認した後、クラックの観測やボーリング調査、伸縮計や地盤傾斜計などの観測機器の設置、路面クラックの震度調査、シッペ由定橋の橋台の傾きや支障部の変位などの再調査、調査・観測結果などをもとにした解析などを行った。今回の委員会では、これらの調査や解析の結果などをもとに今後の検討が行われた。検討の結果、今後の対応として、現状では地すべりとも表層崩壊とも判断がつかないため、地すべりの管理基準を準用するとともに降雨量による表層崩壊での管理基準を併用していくことを決めた。また、シッペ由定橋については、地震時の挙動や橋台や支障部でも観測を行い安全対策を検討することとした。
今後の予定としては、新たな挙動が認められた場合は、地すべり機構の解明を行い、対策工の概略検討や詳細検討を行う。検討会は状況に応じ検討の節目で開催し、災害復旧事業の採択を受けて対策工を実施していくことになる。
同検討会の事務局は揖斐土木事務所道路維持課。
提供:建通新聞社