国土交通省名古屋港湾空港技術調査事務所は、南海トラフ巨大地震の大津波に対応する、名古屋港(名古屋市港区)の外港地区高潮防波堤改良に向けて、有識者で構成する構造検討委員会を年内の早い時期に設立し、施工法を選定する方針だ。施工を担当する同省名古屋港湾事務所では、第4四半期に名古屋港外港地区防波堤改良の初弾工事の発注を予定しているため、工法の選定が急がれる。
堤防は一部で沈下しており、1〜2b程度の堤体の嵩上げが必要となる。併せて、ケーソンの補強も実施する予定。補強方法は、ケーソン内部の隔壁へのセメントの充填(じゅうてん)などが検討対象となっている。
名古屋港の高潮防波堤は、弥富市側の鍋田堤(延長4126b)と知多市側の知多堤(同1331b)、両堤の間でポートアイランド付近にある中央堤(同2136b)で構成している。高さは場所にもよるが、ケーソンが約1・8b、堤体が同6・1b。
防波堤改良の基本設計は日本港湾コンサルタント(名古屋市中区)が担当し、防波堤の粘り強い構造化に向けて改良手法を検討している。施工時の手順を検討する詳細設計は、ドラムエンジニアリング(東京都千代田区)が担当。工事発注に向けて、安全対策などの詳細を詰める。
提供:建通新聞社