静岡県は、公募型簡易プロポーザル手続きを進めていた「掛川地区特別支援学校(仮称)建築工事設計業務」の委託先を針谷建築事務所(静岡市駿河区)に特定した。近日中に契約を締結して設計業務を開始し、2013年7月31日までに基本・実施設計をまとめる。
掛川市民病院の跡地の一部(掛川市杉谷南地内、敷地面積約1万8000平方b)に新築する掛川地区特別支援学校は、小学部(21学級)、中学部(14学級)、高等部(10学級)の計45学級で構成し、定員は約170人。
新築する建物は、▽鉄骨造3階建て延べ約7700平方bの校舎棟(小中学部普通教室18教室、特別教室、高等部特別教室10教室、給食室、共用部、生徒昇降所、事務室や職員室などの管理諸室)▽木造延べ約550平方bの体育館▽鉄骨造延べ約780平方b(25×8bと10×5b)のプール▽鉄骨造約20平方bの駐輪場―など。
県産材を活用した建物内の木質化や近隣住居への砂塵対策、スクールバスによる通学や自家用車による送迎、車いすや医療ケアが必要な児童生徒への対応などを考慮しつつ、今回委託する業務の中で、建物や教室などの配置、規模などを固める。基本設計を13年1月31日まで、実施設計を同年7月31日までにまとめる。
設計者選定のプロポーザル手続きでは、5者が技術提案書を提出。配置予定技術者の経験・能力や業務の実施方針、提案内容などを基に最も高い評価を得た針谷建築事務所を特定した。
県は今後、地質調査や造成実施設計などを別途委託し、並行して土地利用・開発協議などを実施。13年7月に道路工に着手するとともに、同年9月に本体工事の入札手続きを開始して12月に仮契約を締結。14年2月議会で請負契約の承認を得ることを想定している。
14年度に単年度で施工し、15年度の開校を目指す。新築工事費として約17億円を見込んでいる。
県内の児童・生徒数は全体として減少傾向にあるものの、特別支援学校への就学率や就学希望者は増加している。掛川(中東遠)地区では現在、障害のある児童・生徒が袋井特別支援学校(袋井市高尾2753ノ1)に通っているが、建物が狭く通学の負担も大きい。
そこで、掛川市民病院の跡地の一部に、知的障害と肢体重複障害を対象とした県立特別支援学校を新設する。目指すべき学校像として、@児童生徒の自立と社会参加に向けた最善の支援A児童生徒の生命の尊厳の自覚と、健康・安全への気配りB地域に開かれた特別支援教育のセンター的機能の発揮―などを掲げている。
(2012/9/28)
建通新聞社 静岡支社