伊賀市は、伊賀市下友生の「しらさぎ運動公園」整備事業について、地域防災、スポーツレクリエーション拠点の機能を併せ持つ都市公園として整備を進めるため、2012年度から具体的な事業に着手しており、公園内に建設する「防災倉庫兼多目的グラウンド」の建築設計に着手した。設計担当は上野建築研究所(伊賀市)、設計工期は13年2月28日を予定。建築工事は13年度を予定している。また、土木工事については予定する2件のうち、1件を発注、残る調整池本体工事の発注を行う。
今回設計に着手した防災倉庫兼多目的グラウンドの施設計画規模は、鉄骨造平屋4500平方b。災害時には荷捌き場としての機能、平常時には屋根付きの多目的グラウンドとして、ゲートボール、フットサル、テニスなどの競技が可能な施設として整備する。対象のスポーツ競技に見合った軒高を確保する。災害時には荷捌きスペースへの輸送車両の出入りを確保するため、外壁は設けない形式を想定している。建設地は、公園計画のゾーニングの一つとなる健康ゾーン内で、都市計画道路南平野木興線に沿った位置。近隣では、県事業の伊賀地区広域防災拠点(旧上野農業高校を改修)整備が進められており、県、市の両施設が完成すると、県の防災拠点から市への物資の輸送経由ポイントとして連携する役割を果たすことになる。
また造成工事については、調整池を中央東側に配置する。工事中の排水処理に対応するため、先行して工事を進める。すでに発注済みの造成工事1件も調整池関連の工事。
しらさぎ運動公園は、下友生地内のごみ焼却場の旧しらさぎクリーンセンターの跡地と民有地を含めたエリア約7・9fを対象とした都市公園。県道衣那具荒木線に接し、名阪国道インターチェンジからも近接した位置にある。市南東部の防災・運動拠点の公園として都市計画決定され、08年度から14年度までの7ヵ年計画で事業化された。11年度までに用地取得、公園設計などを進め、12年度から事業着手した。公園の実施設計はパスコ三重支店(津市)が担当した。
全体計画は、最も北側に位置する既設の白鷺公園(約1・3f)と新設するスペースで構成され、既設の公園を運動ゾーン(既設分)と遊具ゾーンと、また新設する公園について、北側から、健康、里山、親子、運動(新設分)の6ゾーンでゾーングした。健康ゾーンには、多目的グラウンド(兼防災倉庫)、災害時には管理機能も有するセンタープラザ、備蓄倉庫など。里山ゾーンは自然に親しむ森林などを残し、親子ゾーンは多目的芝生広場のスペースで大半を占める。運動ゾーン(新設分)は、最南東部に位置し、フットサルコート3面を配置する。
事業スケジュールは、12年度に調整池と一部造成工事に着手、多目的グラウンド(兼防災倉庫)の設計を行い、13年度に、継続して造成工事、多目的グラウンドの建築、センタープラザなどの設計を予定。当初計画では、14年度に残る整備、建築工事などを行い、供用開始を目指す考えだ。ただし、国の補助額で事業量が左右されるため、スケジュールは流動的な面もある。
提供:建通新聞社