建通新聞社四国
2012/09/18
【愛媛】防災・減災対策を柱に編成 9月補正案
愛媛県は、2012年度9月補正予算案を発表した。南海トラフ巨大地震による津浪被害想定などを受け、県単独緊急防災・減災対策の前倒し実施、産業振興などの緊急課題への対応を柱に、一般会計164億3314万円(前年同期比2・62%減)を計上。注力する防災・減災対策では、国の対策を待つことなく緊急に行うべき県単独事業として避難道路、がけ補助、階段工、河床掘削などを前倒しで実施していく方針。県単独緊急防災・減災対策事業費の累計は115・9億で、昨年同期比95・7%を確保している。
一般会計の12年度累計は6153億3958万円で前年同期比2・63%減。一般会計に含まれる投資的経費は同比24・4%減の58億5026万円。累計では同比3・3%増の945億9541万円となった。
主な事業を見ると、緊急防災・減災対策に43億3916万円。内訳は、大地震発生や伊方原発の不測の事態に備え、原発から半径30`以内の鳥井喜木津線(伊方町)などの県管理道路改築(79カ所)に20億5800万円、原発30`圏域内および津波浸水被害想定区域内の県管理道路の橋梁耐震補強(88カ所)に7億3600万円。緊急時の一時避難場所となる急傾斜地崩壊防止施設への階段等整備(34カ所)に2憶8000万円のほか、市町が行うがけ崩れ防災対策(30カ所)に2憶0250万円を補助する。豪雨災害に備える河床掘削(48カ所)に2憶円、陸閘改良や護岸補強などの海岸施設改良(25カ所)に3億円。また、防災拠点港湾である松山港外港地区の荷役機械(ガントリークレーン)耐震化に2憶7000万円。また、県立学校耐震化促進の改築・改修設計(4校7棟)に5310万円を盛り込んだ。また、貯水量10万立方b以上のため池を対象に効果的な耐震対策を検討するための耐震診断実施(30カ所)に1億8900万円を計上したほか、JR四国が行う緊急輸送路と交差する橋りょう(3箇所)の耐震対策に補助する。
当面する課題への対応としては、愛媛ブランド牛の肥育管理牛舎建設と肉質分析機器整備に1億5038万円。今治市新都市第一地区に建設する新繊維産業技術センター整備に5億0015万円を計上したほか、13年1月〜12月の工期で進めるため、債務負担行為限度額12億9078万円を設定した。観光振興では、しまなみ海道沿線の安全対策や利便性向上のため道路補修や路面標示を設置するサイクリングロード整備に2憶4800万円。公営企業会計では、工業用水の落差を利用した小水力発電設備に伴う実施設計に1948万円。宇和島市の九島架橋整備受託事業では、橋脚工2基の施工を13年3月〜15年3月で進めるため、債務負担行為限度額30億9000万円を設定した。
なお、9月議会上程の工事請負契約として▽県庁第一別館耐震改修(落札額14億3300万円、大成建設・愛媛土建・白石建設工業特定JV、落札率88・6%)▽今治警察署庁舎新築(落札額8億7800万円、野間・河上・タニグチJV、落札率99・6%)−をあげている。