建通新聞社四国
2012/09/18
【香川】13年度からため池耐震化着工 県
香川県土地改良課は、2013年度から貯水量10万d以上の大規模ため池の耐震化工事に着工する方針を明らかにした。しかし、耐震補強が必要とされる判断基準が確立されていないため、県は独自に簡便かつ実用的な指標の早期確立に向けて、耐震化整備検討委員会を11日に立ち上げた。
ため池の耐震化指針は、東日本大震災によるため池決壊被害を教訓に、国が耐震設計指針の改訂を検討しているが、策定時期が未確定なため、県は早期の耐震化の必要性から県独自の基準作りに動き出した。
学識経験者ら5人で構成する「県ため池耐震化整備検討委員会」が設置され、第1回会合が11日開かれた。委員長に選出された毛利栄征農業・食品産業技術総合研究機構施設工学研究領域長は「ため池の耐震化に向けた指針作りは、香川県が先駆的な取り組み。周辺環境にも配慮したい」と述べた。
県は大規模地震などの発生により、ため池の堤体が決壊した場合、下流域に甚大な被災が発生することから、特に大規模なため池の耐震化を急ぐ方針で、13年度からの着工を目指している。
10万d以上の大規模ため池は県内に199池あり、うち耐震性があるとされる62池を除く137池の耐震化を急ぐ。
11年度から耐震診断に着手しており、11年度にまんのう池など5池、12年度には35池で診断を実施するため順次、外注している。137池の診断を14年度までに実施する。耐震診断の結果を基に、今回策定する指針により耐震化の必要性を判断し、補強工事を実施することとなる。
県は、平野部や山地などため池の立地状況や下流域の社会的状況などを勘案し、経済的・安全な工法の検討など簡便かつ実用的な指標の早期確立を委員会に求めている。