建通新聞社四国
2012/09/18
【高知】防災・減災対策に27億 県9月補正案
高知県は9月13日、9月補正予算案の概要を明らかにした。一般会計の補正額は35億0963万円で、当初からの累計額は4377億1694万円としている。このうち投資的経費の補正額は28億9035万円で、8月29日に内閣府が発表した第2次想定を踏まえ、南海トラフ巨大地震対策の見直しを着実に実施するため、公共土木施設などの防災・減災対策のさらなる加速化に向け約27億円を投入する。9月定例議会は19日に開会し、10月9日までの日程で行われる予定。
南海トラフ巨大地震対策のさらなる拡充・加速化に向けたハード事業のうち、河川・海岸施設整備では堤防の耐震化などを推進するため、地震高潮対策事業費などに6億9600万円を計上し、国分川、江ノ口川、鏡川の堤防耐震化や浦戸湾流入河川の排水機場の耐震化を進める。また、国直轄河川事業負担金に1億2800万円を増額するほか、奈半利港海岸の緩傾斜堤整備、宿毛市松田川の護岸整備、高知市大谷川の流域貯留施設整備などを推進する。
港湾・漁港施設の整備では、国直轄港湾事業費負担金に12億4300万円を増額するほか、地域水産物供給基盤整備事業費には1億5200万円で野根漁港の沖防波堤整備など、広域水産物供給基盤整備事業費には4億0800万円で安芸漁港の沖防波堤整備や岸壁強化、室戸岬漁港の防波堤整備などを推進する。
道路・砂防施設整備では、砂防、地すべり、急傾斜地崩壊対策事業費などに1億0500万円を計上し、いの町若宮谷川の砂防堰堤、梼原町上西の川の急傾斜地崩壊防止施設などの整備を行う。また、砂防等基礎調査費には3100万円で150カ所の調査を追加、8の字ルート関連には4100万円を計上している。
そのほかの新規事業では、医療機関の総合的な防災対策の推進には1億0784万円を計上。このうち、医療機関の防災対策に緊急に必要な発電装置、通信機器などの備品整備に対する補助制度を創設、1億0164万円を投入し支援する。
社会福祉施設における地震防災対策には、移転・高層化など調査検討委託料に350万円を計上。津波想定浸水区域内で特に海岸に近く直接的な被害が予想される入所型施設をモデルとして、高台移転や高層化などに向けた課題の洗い出しを行い、対応策を検討する。社会福祉施設地震防災対策加速化事業費補助金には8850万円を投入し、施設改修や装備確保、訓練・研修事業などを支援する。
保育所・幼稚園等安全確保対策事業費補助金には500万円を投入し、高台移転検討に要する調査、測量、計画作成などを支援する。
民間活力活用津波避難施設整備促進事業補助金には、2000万円と債務負担行為で1億円を計上し、市町村と津波避難施設指定の協定を締結した民間事業者による避難施設整備を支援する。
新エネルギーの推進に向けては、小水力発電所の基本設計委託料に2592万円を計上。地蔵寺川発電所(仮称)の建設に向け基本設計を進める。