三重県教育委員会は、県立特別支援学校の「東紀州くろしお学園<本校>統合整備」の建設地について、熊野市金山町の金山パイロットファーム地内に建設することを決めた。2012年度は部内で事業化に向けた検討、関係者との調整を進め、13年度から測量や地資質調査に着手する計画だ。事業着手年度などは未定。
東紀州くろしお学園については、現在、小・中学部(5月時点9人)が有馬小学校(熊野市有馬町)、高等部(同11人)が木本小学校(熊野市木本町)の施設をそれぞれ借用で使用しており分散している点や、作業学習などで使用する専用の特別教室が特に高等部で不足していることなどの課題があることから、当初、県立紀南高校(御浜町阿田和)の東側の敷地に新築棟を建設、あわせて、南側の敷地続きにある旧寄宿舎棟の1階を改修し教室などを配置する計画だった。しかし、11年9月の紀伊半島大水害で同校が浸水したことから移転先は白紙にして候補地を検討していた。
新たな移転先となった、金山パイロットファームは、大規模な開拓事業により建設された果樹園を主とした民間の農地。事業の地区面積は163f。県では同敷地内で候補地を挙げ、土地取得、または借地の方法も含めて土地を確保する。候補地は未定だが、近隣に熊野市立金山小学校があることなども考慮しての選定が見込まれる。
11年度の計画では、新築棟として鉄骨造3階建て延べ1900平方bと既設施設の改修で1階フロアの面積517平方bを対象にしていた。今回、金山パイロットファームで建設する場合、すべてが新設の施設となるため、計画規模自体も再検討が必要だが、機能的には同程度のレベルが保てるだけの施設を前提に検討することになりそうだ。施設内容では、前計画に予定された教室、会議室、職員室、学習室、作業室、ランチルームなどの配置が見込まれる。
提供:建通新聞社