建通新聞社
2012/09/10
【大阪】近畿地方整備局 13年度概算要求の重点事項、紀北東道路は残る12・9`開通へ
国土交通省近畿地方整備局は、2013年度予算概算要求の重点事項をまとめた。昨年の台風12号による紀伊半島大水害や、近年多発するゲリラ豪雨の発生を踏まえ、災害に強い社会基盤整備を推進。また、近畿の国際競争力向上を図り、首都圏のバックアップ機能を支える国際コンテナ戦略港湾「阪神港」や近畿圏の環状道路ネットワークにおけるミッシングリンクの整備を前進させる。
台風12号による河道閉塞箇所(赤谷、長殿、栗平、熊野、北股)では閉塞土砂の崩壊を防ぐため、閉塞土砂の端部を抑える砂防堰堤を設置する。大規模土砂災害箇所(宇井、坪内、三越)は斜面に残る崩壊土砂の排土を行い、土石流被害箇所の那智川では砂防堰堤の設置を継続。熊野川と支川相野谷川は、河川激特事業により河道掘削や築堤、堤防強化を進める。
04年10月の台風23号で被災した由良川では、18地区で輪中堤や宅地嵩上げを14年度完成に向けて整備。円山川下流部では無堤対策として特殊堤を整備していく。7月の九州の豪雨災害を踏まえて実施した管内直轄河川の堤防緊急点検において「要対策」とされた約300`については、堤防への浸透対策、パイピング対策、築堤・掘削、洗掘対策などを施す。
天ケ瀬ダム再開発は、トンネル式放流設備の工事を実施。調査・地元説明段階の足羽川ダムは、7月に「事業継続」との対応方針が決まったため、その結論に沿って事業を展開する。和歌山下津港海岸(海南地区)では津波対策として、直立浮上式津波防波堤や水門などを整備していく。
ミッシングリンクの整備では、近畿自動車道紀勢線の田辺〜すさみ間、永平寺大野道路、丹波綾部道路、八鹿日高道路の工事や用地買収を実施。紀北東道路の紀北かつらぎインターチェンジ(IC)〜打田IC間12・9`と、大和御所道路の大和郡山ジャンクション〜郡山南IC間1・6`は供用開始を目指す。
国営公園は、平城宮跡区域で第一次大極殿院の建造物の復原整備設計を進めるとともに工事情報案内施設を設置。飛鳥区域のキトラ古墳周辺地区では体験学習館の建築工事に着手する。淀川河川公園の背割堤地区においては、三川合流部サービスセンター(仮称)の整備に向け、埋蔵文化財調査、基盤整備や園路の実施設計を行う予定だ。