静岡県や県内の市町、民間企業などで組織する「内陸のフロンティアを拓く(ひらく)総合特区地域協議会」の第2回会合が8月31日、県庁内で開かれ、三ツ谷新工業団地造成事業や新東名インターチェンジ(IC)周辺土地区画整理事業など具体的な取り組み内容とスケジュールを示した。また、これらの事業を円滑に進めるため、市街化調整区域での開発許可や農用地区域内農地での農地転用の特例など31項目を、9月末に国に申請する規制の特例措置としてまとめた。
内陸のフロンティアを拓く具体的な取り組みは、「内陸部のイノベーション」「都市部のリノベーション」「多層的な地域連携軸の形成」―の三つの戦略に基づき、民間事業者や県内自治体が主体となって打ち出した。
内陸部のイノベーションでは、▽三ツ谷新工業団地造成(三島市)▽玉沢IC周辺土地利用活用(三島市)▽函南道の駅・川の駅建設(函南町)▽新東名長泉沼津IC周辺物流関連産業集積(長泉町)▽新東名IC周辺土地区画整理(富士市)▽湯船原工業団地造成(小山町)▽自然エネルギー利活用促進(静岡市)▽地域の資源や産業を生かした集客拠点の形成促進(藤枝市)▽内陸部への移転企業の受け皿確保(森町)―などの事業を計画。
都市部のリノベーションとして、▽物流供給拠点確保(吉田町)▽事業所撤退跡地の優良畑地化促進(袋井市)▽事業所撤退跡地の再生利用(磐田市)―を展開する。
いずれも2012年度から順次、基本設計や事業計画作成などの取り組みを始める。
これらの事業を円滑に進められるよう、▽災害時に避難地や物資供給拠点とする協定を締結した企業の立地に対する促進税制▽市街化調整区域での開発許可の特例▽農用地区域内農地での用地転用の特例▽工場立地に関する緑地規制などの緩和▽新エネルギーで発電した電力を災害時に一定地域内で融通する施設の整備に対する財政支援▽農業振興に役立つ施設の農用地区域の除外要件の緩和▽農地の法面や湖畔に設置する太陽光発電施設の転用許可の特例―など31項目を、総合特区の中で求める規制の特例措置に掲げた。
(2012/9/5)
建通新聞社 静岡支社