建通新聞社四国
2012/09/04
【徳島】県内病院耐震化状況の調査開始 県
徳島県は、県内の病院施設に対する耐震化状況の調査を9月から開始する。2年前に実施した耐震化状況の経過調査となり、東日本大震災後に行う本格的な調査となる。厚労省は、災害拠点病院の耐震化を2014年度末までに完了させたい意向を示しているが、県としては、これらの新たな状況調査の結果を踏まえ、国の指示・協力を仰ぎながら今後の耐震への取り組みを加速化させる考えだ。
2年前の2010年10月1日現在の状況をみると、県内では117の病院のうち60病院で耐震化が完了し、耐震化率は51・3%(このうち災害拠点病院などの耐震化状況は、9病院のうち4病院で耐震化が完了しており、耐震化率は44・4%)だった。また、一部の建物に耐震性がある病院が43病院、全ての建物に耐震性がない病院が5病院、建物の耐震性が不明の病院が9病院あり、このうち2012年度までに全ての建物を耐震化する予定の病院が7病院あった。
建物の耐震性が不明の9病院(民間8、公共1)については、1年後の10月1日時点で追加調査を実施。その時は今後耐震診断を実施する予定の病院が2病院(いずれも民間)だけで、その他の7病院については、耐震診断の経費確保が困難とか、診断後に具体的な計画がないとか、対象建物は将来的に取り壊す予定といった理由で実施を考えていないとした。いずれにしても今後はこれら耐震性が不明の建物の解消を図るべく診断調査を加速化させるほか、耐震性のない建物の耐震化が必要となってくる。
県は9月から実施する耐震診断調査について、115ほどの病院に書面による調査を依頼する予定。調査は10月末まで実施され、調査結果を国に報告するほか、実態を整理・把握した上で今後の病院施設の耐震化を加速させるよう、必要な施策を展開させていく考えだ。