「伊豆地域の道路整備のあり方検討会」(委員長・兵藤哲朗東京海洋大学教授)は29日、東京都内で最終回となる第5回会合を開き、前回まとめた原案に対する県民意見などを踏まえ、今後の道路整備の在り方の最終案を協議した。伊豆地域が抱える地域課題を解決するための対応方針として、伊豆縦貫自動車道の整備促進を国に強く働き掛ける一方、江間インターチェンジ(IC)のフルIC化による交差点改良・信号機撤去、有料道路の建設借入金償還計画の見直し、国道135号や136号など地域内道路ネットワークの早期整備、効率的な道路管理などを求める。具体的な取り組みに当たり、地域住民や自治体、関係機関と協議し、施策の必要性や効果に対する理解を求めることも提案した。
同検討会が今後の伊豆地域の道路整備の方針として掲げたのは、@伊豆縦貫自動車道の早期整備A利用しやすい伊豆縦貫自動車道の実現B地域内道路ネットワークの早期整備C効率的な道路の管理―の4点。
その上で、この方針に基づく具体的な取り組みの方向を示した。
伊豆縦貫道の早期整備では、伊豆縦貫道を構成する東駿河湾環状道路や天城北道路、河津下田道路の整備促進と、国道136号天城湯ケ島IC連絡路などアクセス道路との円滑な連結を推進すべきとした。
伊豆縦貫道を利用しやすくするための施策では、伊豆縦貫道で唯一残る平面交差(信号交差点)の江間ICのフル化による交差点改良・信号機撤去、伊豆中央道と修善寺道路の経営を一体とする合併採算性の導入による建設借入金償還計画の見直し(無料化時期の前倒しと、無料化時期の設定に影響しない範囲での追加投資による渋滞解消や通過交通の生活道路への流入防止)、地域住民に配慮した料金施策の導入を提案。
地域内道路ネットワークの整備については、国道136号土肥拡幅など道路改良事業の推進、事前通行規制区間の解消や橋梁耐震対策など各種防災対策の実施、仁科峠宇久須線などでの「1・5車線的」道路整備を提示した。
道路管理では、対向車接近システムや所要時間提供などITSの活用、橋梁や舗装の長寿命化による維持管理費の軽減、地域住民と協力した維持管理などを求める。
検討会は今後、今回の会合で出された意見を参考に文言の修正などを行って、9月中にも「伊豆地域の道路整備のあり方」をまとめて県に提出。県がこれを今後の施策に反映していく。
(2012/9/3)
建通新聞社 静岡支社