建通新聞社
2012/08/30
【大阪】大阪市 大阪城豊臣期石垣の公開 施設整備の基本計画を標準プロポーザルで 16者を指名
大阪市は、大阪城観光の目玉として計画する豊臣期石垣の公開に向けて、施設整備の基本計画を開始する。標準プロポーザルで委託先を選定するため、16者を指名。提案の提出を受けた後に審査し、9月中にも最優秀提案者を特定。建築・設備の基本計画・実施設計・数量積算・工事監理を委託する。2015年度からの常時公開を目指して、整備計画の策定と整備を進める。
標準プロポーザルの指名先は、INA新建築研究所、梓設計、石本建築事務所、NTTファシリティーズ、久米設計、佐藤総合計画、昭和設計、大建設計、東畑建築事務所、日建設計、日本設計、松田平田設計、三菱地所設計、安井建築設計事務所、山下設計、類設計室−の16者。
大坂城(大阪市中央区)の地下には、豊臣秀吉が築いた大坂城の石垣が存在する。初代大坂城は1583〜85年の築城。豊臣家が滅亡した大坂夏の陣(1615年)で落城した後、徳川幕府により埋められ、その上に現在の石垣が築造された。
市は、1984年の調査で本丸の地中から石垣の一部(高さ約6b、幅約5b)を発見。比較的小さな自然石を積み上げる野面(のづら)積みが採用されているのが分かった。公開を計画しているのはこの石垣。公開に当たり、既存施設の再整備や、新たな公開施設の建設を行う必要がある。
大阪府市統合本部は、大阪城エリアを大阪城公園観光拠点特区として、大阪観光の目玉とする構想を打ち出している。豊臣期石垣地下公開施設の設置もこの構想の一環。
整備に当たっては、市民らから募金を受け付けている。約5億円の寄付を見込み、事業費の一部とする計画。